ちょっと前の話となりますが、6月10日放送の『ガイアの夜明け』は「キレイの”裏側”~今だから・・・私はこう闘う!~」というテーマで「キレイにする」ビジネスが取り上げられていました。

その中で取り上げられていたのが札幌市にある「Jabba Ring(ジャバリン)」というコインランドリーです。

コインランドリーは以前「なぜコインランドリーが増加しているのか?」という記事でも取り上げた通り、共働き世帯の増加に比例して全国的に増加傾向にあります。

ただ数が増えるとそのぶん競争も激化するわけで、様々なサービスで差別化が図られています。

例えば洗濯機の空き状況が事前にスマホで確認できたり、電話番号を登録しておくと洗濯が終わる時間を電話で知らせてくれるとか。

そんな中で、今回取り上げられたジャバリンが打ち出しているサービスが店員さんによる「洗濯代行」です。

ん?コインランドリーなのに店員さんがいて洗濯代行?

そう、こちらのお店は「自分で洗わないコインランドリー」なのです。

お客は洗濯物をお店に持ち込みます。

それを店員さんに渡すと店員さんが依頼主に変わってコインランドリーの洗濯機を使って洗濯を行います。

店員さんが洗濯をしてくれるのですが、あくまでもコインランドリーの洗濯機を使うのでクリーンング店とは異なり、料金はクリーニング店の半額以下とリーズナブル。

ただ洗濯代行は別途料金が発生します。

なので「だったら別にわざわざ代行をお願いしないで自分で洗えばいいのでは?」と思われるかもしれませんが、こちらの店員さんは全員が国家資格である「クリーニング師」の資格を保有しており、それぞれの素材や汚れなどから最適な洗濯方法で洗濯してくれるのです。

コインランドリーとクリーニング店の間の隙間を狙った絶妙なビジネスモデルと言えますが、最初からそれを狙ったわけではありません。

最初はインバウンドなどの観光客の増加を見据えてホテルなどのシーツやリネンの洗濯を請け負う「洗濯代行業」としてビジネスをスタートさせたのですが、コロナによりその需要が全くなくなります。

そこで一般客の洗濯代行に舵を切ったところそれが見事に当たり繁盛店になったというわけです。

まさに怪我の功名といったところですが、しっかりと差別化されていて秀逸なビジネスモデルだと思います。

以前「カンデオホテルズに学ぶニッチ戦略」という記事で3つ星のビジネスホテルと5つ星の高級ホテルの中間である「4つ星ホテル」というマーケットを新たに創造したカンデオホテルズを紹介しましたが、今回の事例もまさに新たしいマーケットを創造した好事例と言えるでしょう。

あなたの業界にこのように新たなマーケットを創造する余地はありませんか?