コロナ禍の中、最近焼肉店が増えているそうです。

私も過去「ワタミの脱居酒屋戦略に考える」という記事(コチラ)で取り上げましたが、居酒屋チェーン大手のワタミは全国の居酒屋360店舗のうち120店舗をこれから1年半かけて焼肉店「焼肉の和民」に業態転換する方針を打ち出しました。

また「いま勢いのある肉料理店に学ぶ」という記事(コチラ)では一人焼肉のチェーンを展開する焼肉ライクを取り上げました。

それ以外にも勢いのある焼肉店と言えば「焼肉キング」が挙げられます。

テーブルバイキング方式でテーブルまで料理を届けてくれ、焼肉のおいしい食べ方を説明してくれるスタッフ(焼肉ポリス)を置いているなど独特のシステムをとり、その安さも相まって人気となっているそうです。

飲食業界はコロナの影響をモロに受けてしまい、倒産・廃業件数がドンドン増えるなど非常に厳しい状況となっていますが、そんな中でも焼肉店はコロナの被害が少なく、逆に店舗数が増えるなど勢いがある状態にあると言えます。

焼肉店は換気の良さや、お客さん自身が肉を焼くのであまり特殊な技術がいらないという点、そして何よりも日本人が結構焼肉好きということが焼肉店が増えている要因として挙げられています。

まぁ確かに私もたまに無性にガッツリと肉を食べたくなることがありますからね。

おそらく今後もワタミのように既存の居酒屋などを焼肉店に業態転換する動きは加速していくと予想されます。

さて、ではこの流れに乗ってこれから焼肉店をオープンさせるのは賢いやり方なのか?と言われるとそう甘い話ではないと考えます。

焼肉の和民や焼肉ライク、焼肉キングなどプレイヤーがどんどん増えている状況ですが、だからといって焼肉市場が急激に拡大しているわけではありません。

仮に市場規模が同じままでプレイヤーが増えればそのぶん、パイの取り合いになってしまいます。

またおそらく今後は飲食店の閉店が増え、居抜きの物件が市場に多く出回ることになると予想されます。

居抜き物件の場合は新規出店のイニシャルコストを抑えることができるので魅力的に感じるかもしれません。

しかし、立地やターゲットとする客層、単価、コンセプトなどの戦略をしっかりと考えることなく、ただ単に「今は焼肉店が人気だ」「居抜き物件でリーズナブルに出店できる」という考えで出店しても痛い目に遭う可能性が大きいと言えるでしょう。

コロナ禍によりますます不確実性が増す時代となっていますので、安易に「景気のいい話」「儲け話」に乗るのではなく、戦略的に考えるようにしたいものですね。