居酒屋チェーン大手のワタミが居酒屋360店舗のうち120店舗をこれから1年半かけて焼肉店「焼肉の和民」に業態転換する方針を打ち出しました。

ワタミの渡辺美樹会長はコロナ後も居酒屋市場は従来の7割に戻らないと想定しており、居酒屋ブランドは今後5年かけて他の業態に転換していく考えです。

ワタミと言えば、「居酒屋大手の業態転換に学ぶ」という記事(コチラ)でも取り上げましたが、6月にも居酒屋を60店舗以上閉店し、テイクアウトメインのお店「から揚げの天才」へと業態転換を図っていました。

渡辺会長が想定するように居酒屋業界はもう今後厳しいのでしょうか?

先日帝国データバングが発表したデータによると、飲食店の倒産件数は上半期(4月~9月)で392件と過去最多となったそうです。

しかもこのままのペースで倒産が発生すると、2020年度の年間倒産件数は過去最多を更新する可能性がある、という厳しい見立てです。

コロナによる営業自粛要請や営業時間短縮要請など行政サイドから何度も「飲みに出かけるな!」というようなメッセージを発せられたというのはかなりの逆風だったと言えるでしょう。

ところで、GoToトラベルキャンペーンで旅行をする人が増え、GoToイートキャンペーンもスタートしたので、飲食店にも人が戻ってきているようにも感じるのですか実際どうなのでしょうか?

我が家は10月2日が結婚記念日、10月6日が私の誕生日ということで、両方ともお店で食事をしてお祝いをしたのですが、その感覚で言うとすすきのにも結構人が戻ってきているような雰囲気があります。

渡辺会長の「コロナ後も居酒屋市場は従来の7割に戻らない」という見立てはちょっと厳しすぎなのでは?

しかし、私個人で言うと、外で飲む機会は激減しました。

コロナ前もそもそも「よし、今日は飲みに行くぞ!」的に飲むに行くことはありませんでしたが、例えば主催したり参加したりする夜の勉強会やセミナーの終了後に懇親会で飲みに行くことは結構ありました。

それが、コロナ後は勉強会やセミナーはリアルからオンラインにシフトし、終了後の懇親会というものがなくなりました。

結果として現在外で誰かと一緒に飲むというのは月に1~2回程度になってしまいました。

また、会社の場合には歓送迎会や忘年会などお酒を飲むイベントが定期的にあると思いますが、それらの機会も激減したのではないでしょうか?

これから年末年始にかけて忘年会、新年会という飲食業界にとっての書き入れ時を迎えますが、おそらく今年はゼロということはないにせよ、激減することが想定されます。

さらに言えば、コロナ禍により経済的なダメージを受けた業界が多数あり、先日取り上げたANAのように冬のボーナスが大幅カットということもあるでしょうから、「飲んでいる場合ではない」という人も多いことでしょう。

そう考えると渡辺会長の見立ても妥当なものなのかもしれません。

先ほどの帝国データバンクのレポートにはこんな表現がありました。

「飲食業界は、従前から人手不足や後継者問題、改正健康増進法の施行など、複合的な問題を抱えており(中略)、2020年は新型コロナウィルスの感染が拡大。引き続き厳しい業界環境となった」

「政府は金融支援策を打ち出したほか、GoTo Eat キャンペーンの実施など積極的な支援を進めているが、インバウンド消失など多大な影響があるなかで抜本的な問題解決に至る蓋然性は低いとみられる」

う~ん、なかなか厳しい。

美味しい料理が食べられるお店、素晴らしい接客をしてくれるお店には是非とも残って欲しいところですが、かなり厳しい状況であることは事実です。

飲食店の経営者であれば、そんな厳しい状況の中で、どうやってしっかりと売上をあげていくか、又はワタミのように業態転換を図っているのか、考え行動することが求められます。

 

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