昨年の9月に「コロナ融資でまとまったお金を借りることができたからといって売上を上げるための手を打たないで漫然と過ごしてどんどんお金を使っていたらいざ返済する時に困りますよ」という趣旨の記事を書きました(コチラ)。

昨年の緊急事態宣言の発令から少し遅れてコロナ特例の融資制度が創設されました。

要件などは細かく変更が加えられましたが、基本的には売上減少要件を満たしていればかなり簡単にお金を借りることができる非常に便利な制度です。

飲食業や宿泊業などのお客が激減した業界ではこの融資により首の皮が繋がったということも多かったと思われます。

ただ厄介なのは、別にコロナやそれに伴う緊急事態宣言や生活スタイルの変化の影響で売上が落ちたわけでなく、そもそも満足な売上が上がっていなかった会社でも融資を受けることができてしまうという点です。

ちょっと厳しい言い方になりますが、本来であればビジネスモデルに問題があり事業を継続するのが難しい会社が、このコロナ融資を受けることで延命しているというケースも多いと推測されます。

もちろん、ここで資金を得たことによってビジネスモデルの改善に取り組み売上を伸ばし、事業を継続できるようになったという会社もあるでしょう。

でもそれはおそらく全体の1~2割程度ではないかと思われます。

そして残りの8~9割の会社は手元にお金があることに安心し、ビジネスモデルの改善には一切取り掛からず、ズルズルと預金残高を減らしてしまっているのではないでしょうか。

場合によっては「どうせ借りれるなら目一杯借りてしまえ」ということで事業規模に合わない額を借りたという人もいると思いますが、もちろん借りたお金は返さなければなりません。

仮に据置期間を1年に設定し、1年間で借りたお金を綺麗サッパリ使ってしまえば、1年後から始まる返済原資はありません。

そして肝心のビジネスの方も、そもそも事業を継続するのが難しいビジネスモデルだったわけですから当然返済原資を作ることができません。

早いところでは昨年の5月頃に融資を受けていると思いますが、そうすると今年の春以降にそのような状況に陥る会社がかなりの数出てくるかと思います。

そこで返せませんとなった時に、例えば据置期間の延長などの対応をしてくれる可能性はありますが、どれだけ期間を延ばしてくれても返済原資を作れなければ返済できません。

そうなると最終的にはどうなるのか・・・それは言わずもがなです。

もしそういう傾向にあると自覚しているのであれば、今からでもビジネスモデルの改善に取り掛かりましょう。