前回スシローの「おとり広告」について取り上げましたが、6月16日放送のWBSでは不動産業界で問題視されている「おとり広告」「おとり物件」について取り上げていました。

不動産物件におけるおとり広告とは、実際には成約していて既にないにも関わらずあるように見せるものを言います。

仮に不動産の購入を検討していてネットで不動産仲介業者のサイトを見ると、好条件の物件情報が掲載されていたため、問い合わせをしたところ、実はその物件は既に成約済みだった。

「他にもお客様の希望に沿う物件があるかもしれないので私が相談に乗りますよ」とお客と接点を持ちたいがために意図的に成約済み物件を掲載し続けるなんて悪質なケースも。

実際番組では既に成約済みと思われる物件を掲載している業者に「この物件はまだありますか?」と電話をしたところ「成約済みだが、情報を更新するのが遅れただけでおとり広告ではない」との回答でしたが、さていかに・・・。

実際業界団体の調べによると売買物件、賃貸物件共に物件情報全体の1割強がおとり広告に当たるということで、物件を探す際、10件に1件は既に成約済なのにわざと掲載されている可能性があるという計算になります。

そう言えばNHKで放送していたドラマ『正直不動産』でも見込み客から「これおとり広告じゃないの?」と問い詰められ、嘘がつけない主人公が正直に認めてしまうなんてシーンもありましたね。

ただ、仲介業者にしてみると、使っているシステムの更新時期などの関係から意図せず成約済み物件を掲載し続けてしまうということもあり得る話なので、即「悪質」と言われるのはつらいという面もあったりします。

とは言え、もう無いと分かっているのにお客との接点を持つためにわざと掲載を続けるたぐいの「おとり広告」は悪質であり、また自分で自分の信用を落とす行為と言えます。

今はネット社会ですので、お客を騙すような会社というのは簡単にSNSなどで拡散されてしまいます。

目先の売上をあげるために安易にお客を騙すような方法を使うと手痛いしっぺ返しを食らうことになるわけです。

今回取り上げたおとり広告の他にも例えば在庫が沢山あるのに「限定○○個、早いもの勝ち!」と希少性を謳ったりするような広告も悪質なものとなります。

このようにテクニックを使えばお客を集めることができ、売上をあげることができるかもしれませんが信用を失えば長期的には売上があがらなくなってしまいます。

結局のところ、お客のためにも、そして自社のためにも正直に真っ当に広告・営業活動をするのが一番ということですね。