昨年末、札幌市豊平区中の島に餃子の無人販売所がオープンしました。

野菜の無人販売所は聞いたことがありますし、実際に知り合いの農家さんも運営しているので馴染みがあるのですが、餃子の無人販売所とは気になる!

キャッシュレスが普及し、無人コンビニも普及しつつありますが、それと同じくハイテクな店舗なのでしょうか?

ということで、気になるので先日潜入してみました。

まずお店の入り口は普通の横開きのドアで、自由に開け閉めできます。

お店の中に入ると、ショーケースに商品の「札幌みそぎょうざ」と「札幌みそぎょうざ(鶏しそ)」が入っています。

両方とも30個入りで税込み1,000円となっています。

このショーケースも自由に開け閉めできます。

欲しい商品を取り、さて会計は・・・とふと出入口の横を見るとお賽銭箱のような料金箱があり、「ここにお金を入れてください」と書かれています。

そう、餃子の無人販売所は無人コンビニのようなハイテクのお店ではなく、野菜の無人販売所のような昔ながらのお店だったのです。

もちろん私はお金を払って買いましたが、中にはお金を払わないで持っていく人もいるのでは??

ということで、気になってネットで調べてみたところ、全国的に餃子の無人販売所を展開している「餃子の雪松」さんの記事を見つけました。

それによると料金箱をお賽銭箱のようにしているのには「それによって悪いことはできないと思ってもらえるのではないか」という理由があるそうです。

これは日本人の「お天道様が見ている」という道徳観・倫理観による部分が大きいかもしれないですね。

防犯カメラもあるのでその抑止力も当然あるのですが、それよりも大きいのがこの日本人の道徳観・倫理観なのではないかと思います。

これが他の国だったらあっという間に全部持っていかれてしまいそうです。

また、これは特に記事に記載がありませんでしたが、おそらくは盗難を防ぐために人を雇ったりハイテク機器を購入するコストと盗難による損失を天秤にかけると、盗難による損失の方が少ないということなのだと思います。

ちょっと出来心で1個盗む人がいたとしても損失は1,000円です。

おそらくは日本人の道徳観・倫理観を大前提にしながらも、多少の盗難による損失は想定し、それはやむを得ないものと割り切っているのではないかと思われます。

そこさえ割り切ってしまえば、人を雇うことなく、また防犯のために多額の設備投資をすることなく、24時間稼働する無人販売所をどんどん増やしていくことができる訳ですから、戦略としてはアリなのではないでしょうか。

これは他の食品にも応用できる話ですので、今後同じような無人販売所が増えていくかもしれないですね。

古くて新しいビジネスモデルということで今後注目したいと思います。