緊急事態宣言が解除され経済活動も徐々に元の姿に戻りつつありますが、そうは言っても完全にコロナ前の状態に戻るにはしばらく時間がかかることでしょう。

そんな中、東京ディズニーリゾートがウィズコロナ時代を見据えた1人当たりの客単価を上げる新戦略を展開しています。

それが現在すでに完売しているようですが、通常料金よりも4000円以上高い、1万3000円の「ハロウィンモーニング・パスポート」です。

このチケットを持っている人は一般客よりも2時間早い午前8時から入園可能で、この時間帯限定の特別パレードを見ることができます。

また、ディズニーランドでは通常大人が仮装することは認められていませんが、このチケットを持っていれば仮装がOKとなり、ハロウィーンにちなんだ仮装を楽しむことができます。

一般客が入場する午前10時までの時間帯はまだ園内もガラガラで、人気アトラクションのビッグサンダーマウンテンも20分程度の待ち時間で乗ることができます。

今回オリエンタルランドがこのようなチケットを販売したのには理由があります。

コロナが落ち着いても感染対策上、コロナ前ほど人数を入れることは難しいとみています。

そこで入場者数の減少を補うために今回のチケットのような形で特別な体験を提供することで、1人当りの客単価を上げる戦略に舵を切ろうとしているのです。

この戦略、主にエンタメ業界でこれから導入されるケースが増えるのではないかと思われます。

今年の1月から4月にかけてBABYMETALのライブが武道館で開催されました。

時期的にはまだまだコロナの感染が拡大している時期だったので、1席ずつ間を空けての開催だったのですが、そうするとコロナ前の料金では採算が合いません。

そこで一般席が15,000円、前から1列目・2列目のいわゆるS席が25,000円というかなり強気の料金設定となりました。

実は私も遠征したのですが、ダメ元で申し込んだS席はあえなく落選。

それでも一般席で二日間行きましたので30,000円というなかなかの出費となりました。

ただBABYMETALとして約1年振りのライブでしたし、時節柄ほかのアーティストのリアルのライブもほぼ開催されていませんでしたので、リアルのライブを求めて多くの人が殺到しました。

それで採算が合ったのかどうかは分かりませんが、収容人数が少なくなるのであれば、1人当たりの単価を上げるしかない。という点で先にご紹介したディズニーランドの戦略と同じと言えます。

そしてこの戦略、エンタメ業界以外にも応用可能です。

通常料金のほかに何か特典をつけることでプレミアム料金を設定することで客単価をアップさせることができれば、お客の数は同じでも売上をアップすることができます。

あなたの売っている商品・サービスに何か特典をつけることでプレミアム料金を設定する余地はありませんか?