前回「仕事のストレスは悪?」という記事で、成長するためには適度なストレスは必要なのではないかというお話しをしました(コチラ)。

その際、引用した厚生労働省の労働安全衛生調査によると従業員10人以上の事業所で働く人の54.2%が仕事や職業生活による不安やストレスを感じているようなのですが、その中の一つに「顧客や取引先からのクレーム」という項目がありました。

そして8月20日付けの北海道新聞朝刊に「自治体職員『カスハラ』経験46%」という記事が掲載されていました。

全日本自治団体労働組合(自治労)の調査によると、住民からの迷惑行為や悪質クレームといった「カスタマーハラスメント(カスハラ)」を受けている自治体職員が46%に上るそうです。

過去3年以内にカスハラを受けた経験について「日常的」が4%、「時々」が42%で合計46%となりますが、「自分ではないが職場で受けている人がいる」も30%となり、「受けたことはなく職場にもない」はたったの23%となります。

またカスハラを受けた職員の66%が強いストレスを感じたと回答しており、

「出勤が憂鬱になった」

「仕事に集中できなくなった」

「眠れなくなった」

などといった影響が出ているそうです。

さて、一旦整理しますと、ストレスの原因として「顧客や取引先からのクレーム」という項目がありますが、誰しも苦情を言われたり怒られたりはしたくないものです。

ただし、こちらがミスをして相手方に迷惑をかけてしまったのであれば、そのクレームというのは真摯に受け止め、今後どうすれば同じミスをしないようにできるか考えるキッカケ、つまり成長のキッカケとなります。

つまり、ミスやそのことによるクレームは無いに越したことはないのですが、もしもミスをしてしまったのであればそのクレームは成長のための良いストレスと言えます(もちろんミスの度合いにもよりますが)。

それに対してカスハラというのは度を超えたクレームとなります。

記事の中で具体的な内容として

「長時間のクレームや居座り」

「暴言や説教」

「暴力行為」

「弁償金品の要求」

といったものが取り上げられていましたが、こうなると適度なストレスとは言えません。

一般企業でもコールセンターを中心にカスハラが増えているようですが、過度なストレスは従業員のメンタル不調や離職の原因となりますので、場合によっては弁護士さんの力も借りて、しっかりと対策を取ることが必要となります。

また別の視点で見ると今のご時世、コロナによって色んなことを我慢しなくてはならず、イライラしている人が多く、そのはけ口としてカスハラが増えているということも考えられます。

しかしそのような行為は後から大きなブーメランとして自分に返ってくる可能性があります。

もしも上記のように理不尽に罵倒したり説教したりした相手が、もしも自分のビジネスのお客になったら?

もしも自分の子供がお付き合いしている人だったら?

あるいはもっとシンプルにその様子の動画を撮られてネットで公開され、なんなら名前も晒されてしまう可能性だってあります。

そうなると失うものは結構多いのではないかと思います。

カスハラをすることでちょっとはスッキリするのかもしれませんが、それによって失うかもしれないもののことを考えると、非常にリスクの大きい行為だと思いますよ。