6月27日放送の「がっちりマンデー!!」は「儲かる100周年企業!」というテーマでした。

よく日本の会社の寿命は30年程度なんて言われていますが、これは1983年の「日経ビジネス」の記事が発端となったもので、現時点での会社の平均寿命は統計データによると23年程度なんだそうです。

40年弱で7年短くなってしまったわけですが、おそらく今後も少しずつ短くなってしまうものと考えられます。

人間の方はどんどん寿命が延びて今や「人生100年時代」と言われる程になったのに、会社の方は寿命がどんどん短くなっているというのはなかなか恐ろしいことです。

大学を卒業して入社した会社が、仮にそこから23年の寿命だと仮定すると40代なかばというまだまだ働き盛りのタイミングで勤めていた会社が無くなってしまうということになります。

ただ実際には新卒で設立されたばかりの会社に就職するということもあまりないことでしょう。

仮に設立後10年経過した会社に就職した場合、13年後、つまり30代なかばには会社が無くなってしまうという計算になるわけです。

そう考えると我々の親世代ぐらいまでは「1つの会社で一生勤め上げる」というのが一般的な価値観でしたが、今の時代は「2~3社で働くこと」を前提に考える必要がありそうです。

そんな時代ですが、話は戻って100年企業です。

会社の平均寿命が短くなっている中で100年も続けるというのは凄いことです。

そして漫然と経営していてできることではありません。

そこで番組ではその秘訣を探っていたわけですが、個人的に興味深かったのが三立製菓の取り組みです。

こちらの会社、名前だけ聞いてもピンと来ないかもしれませんが、お菓子の「源氏パイ」やカニの形をしたパン「かにぱん」を作っている会社と言えば「あ~!」となるのではないでしょうか?

三立製菓は100年前、金平糖を製造する会社としてスタートし、戦時中、家庭用のカンパンを作るようになります。

その後、1965にはロングセラーとなる源氏パイを発売します。なんと私よりも先輩だったんですね~。

そして1974年にはかにぱんが子どもたちに爆発的にヒットします。

かにぱんも私よりも先輩だったんですね~。

ということで同社の看板商品である源氏パイやかにぱんは40年以上も前に発売したものであり、下手をすると陳腐化して売れなくなってしまいます。

それが40年以上もロングセラーになっているところに独自のがっちり戦略が隠されています。

それはホームランよりもコツコツとヒットを狙うというものです。

大企業でもないと大ヒット商品を量産するのは簡単なことではありません。というか大企業でもそんなに簡単には大ヒット商品を生み出せません。

しかし、既存の商品をブラッシュアップすることで息の長い商品に育てることは十分に可能です。

そこで、三立製菓ではとにかくお客さんからのリクエストや不満を聞くということを徹底しています。

手紙や電話、販売問屋やバイヤーからの声も集めまくります。

そうして集めた意見を商品の改良や変更に反映させます。

例えば源氏パイには「パイ生地は食べるとボロボロとこぼれる」という意見が寄せられたのですが、「だったらこぼれないサイズのものを作ろう!」と一口サイズの源氏パイを商品化するといった具合です。

そんな地道な改良の積み重ねによって源氏パンもかにぱんも40年以上もの間、売れ続けてきたわけです。

よく商品・製品には導入期、成長期、成熟期、衰退期という4つの段階があるなんて言われていますが、改良・改善を行うことで衰退期が来ることなく商品・製品の寿命が延び、ひいては会社自体の寿命も延びるという三立製菓の事例には色々と考えさせられます。

あなたの商品・サービスがよりユーザーに支持されるために改良・改善する余地はありませんでしょうか?