早いもので今年ももう3ヶ月が経過しようとしています。

あと数日で4月に突入しますが、4月と言えば我が国では年度替わりということで、色々な制度が変わるタイミングとなります。

その中の一つが以前にご紹介した「消費税総額表示の義務化」です(コチラ)。

これは価格を表示する際に今までは「10,000円+税」という表示がOKだったのが、4月からは「11,000円」と税込価格で表示しないといけませんよというものになります。

税抜価格で980円とか1,980円というのは1,000円や2,000円というきりの良い金額と比べると20円しか違わないのですが、消費者心理としてお得感を感じるため、そのような価格設定をするのが定番でしたが、消費税率も10%になり、結局支払う金額は1,078円(税抜価格980円)、2,178円(税抜価格1,980円)という感じで、表示されている金額と実際に支払う金額の乖離が大きくなってしまいました。

そういうのが紛らわしいから総額表示にしましょうというのがこの義務化の趣旨なのですが、それを踏まえてどのような価格設定にするのかという戦略が各企業に求められます。

そんな中、ユニクロとジーユーを経営するファーストリテイリンググループは3月12日から全ての商品を総額表示とし、さらに商品の本体価格をそのまま税込価格に変更しました。

つまり今まで税抜価格で980円だったものを税込価格980円にしたということで実質的な値下げです。

全商品でこのような対応をしたわけですから約9%という大幅な値下げです。

これはファーストリテイリンググループのような規模感でビジネスをしているからこそできる話で、中小零細企業はなかなか真似できないことです。

片や外食チェーンでは値上げ対応が目立ちます。

モスバーガーでは現在税抜価格343円のモスバーガーが4月からは税込みで390円になります。

イートインだと10%、テイクアウトだと軽減税率8%の適用となりますから、それぞれ税抜価格354円、361円ということで元の価格から11円、18円の値上げとなります。

値上げの理由としてコロナ禍でテイクアウトが増えレジ袋などの包材コストが増加し、さらに原材料費や人件費の高騰で自助努力での吸収が難しくなったためと説明しています。

また、丸亀製麺も全商品のうちの約25%の商品で10円~30円の値上げを行います。

税抜価格から総額表示に変更することで見た目の表示価格は上がる訳ですから、それならこの機会に今までなかなか値上げできずに我慢していた諸々のコスト増加分もオンしちゃおうという発想で、それはそれで一つの戦略だと思います。

このように大企業では値下げ派、値上げ派、そして特に取り上げていませんが据置き派という風に対応が分かれています。

さて皆さんはどのように対応しますか?