10月18日放送の「坂上&指原のつぶれない店」ではドミノ・ピザが取り上げられていました。

デリバリーピザ業界は長年

1位 ピザーラ

2位 ピザハット

3位 ドミノ・ピザ

という三国時代が30年に渡り続いていましたが、昨年ついに長年3位と低迷していたドミノ・ピザが首位の座を奪うという事件が起こります。

店舗数は2位のピザーラ529店舗を大きく上回る704店舗であり、売上も592億円と過去最高を更新しコロナ禍による巣ごもり需要もあって絶好調です。

なぜこのように業績を向上させることができたのか?

その背景には綿密な戦略があったのです。

まず大きな戦略変更が「ピザを機会食から日常食へ」というものです。

我々日本人は日常的にピザを食べるという文化がなく、デリバリーを頼むのは何か人が集まったタイミングぐらいで、つまりピザというのは「機会食」だったわけです。

なので、過去ドミノ・ピザは「来店してテイクアウトしてくれれば2枚目は半額」としていました。

しかし、これだと機会食のまま。

そこで、大胆にも「来店してテイクアウトしてくれれば1枚目から半額」と方針転換します。

これによって、別に人が集まる機会だけじゃなく、日常的に「あ、今日の晩ごはんはピザにしよう」と気軽に食べられるようになりました。

日常的に食べる人の中には「週2~3回はドミノ・ピザでピザを食べます」という人もいるようで、この戦略が見事にハマったと言えるでしょう。

そしてもう1つの戦略が「提供時間の短縮にトコトンこだわる」というものです。

テイクアウトの場合でも専用のアプリでGPSを活用して来店客の位置情報を把握することで、ちょうど来店するタイミングに焼き立てのピザを渡せるというオペレーションを確立しています。

さらに、デリバリーをする際にも「注文を受けてから15分以内にお届けする」というのを目標としているそうです。

その昔、「注文してから30分以内に届けられなかったら無料にします」なんて話がありましたが、今そこまで宅配時間にこだわるお店はなくなりました。

そんな中で、あえてドミノ・ピザは1分1秒でも早く届けられるようにデリバリーのオペレーションも徹底的に考えています。

これはテイクアウトと同様できるだけ焼き立ての美味しいピザを楽しんでもらうためという考えもあるのですが、もっと大事なのは「コンビニに勝つため」という発想です。

機会食であれば「30分ぐらいなら待つか」となりますが、日常食で30分も待つのであれば「だったら近所のコンビニで弁当買った方が早いから、ピザはやめておくか」となりかねません。

つまり、ピザを機会食から日常食へとポジションチェンジするのであれば、必然的に日常食を提供するお店がライバルとなるので、その数あるライバルの中から自分たちを選んでもらうためという逆算で、宅配時間にもこだわっているということなのです。

なので、日常食化と提供時間を短くするオペレーションの確立はワンセットなのです。

ドミノ・ピザは2018年に「20分以内に配達できなかったら次回無料にします」という「ミッション20ミニッツ」というキャンペーンを行いましたが、その時は私も「そんなに時間短縮にこだわって何か意味があるの?」と思っていました。

しかし、その裏側にはこういった綿密な戦略があった訳です。

う~ん、勉強になりますね。

そんなドミノ・ピザですが、実は北海道にお店はありません。

過去には出店していたのですが、2010年に撤退していました。

それが、絶好調の勢いを持って今年11月に再上陸を果たすそうです。

これにより北海道も10年振りにデリバリーピザの三国時代を迎えることになります。

私にとってピザはまだどちらかというと機会食という位置付けですが、ドミノ・ピザの再上陸により日常食に変わり頻繁に食べるようになるのか?

色んな意味で注目したいと思います。