前回「起業するときにミッションって必要なの?」という自分としては挑戦的なことを書いてみました(コチラ)。

高い志を持って起業するのは素晴らしいことだけど、高い志がなかったら起業しちゃダメなの?というとそんなことはないですよ、というお話しでした。

かくいう私もよく「なんで税理士になったんですか?」と聞かれますが、最初そんな高い志を持ってこの業界に入ったわけではありませんでした。

道内の某国立大学を目指し一浪までするも、残念ながら全く歯が立たず(当時はまだ受かる勉強法をマスターしていませんでした)。

そこで、合格できた北海学園大学へと進学することにしたのですが、ここで一つの選択を迫られます。

経済学部と法学部に合格していたので、どちらの学部に行くかという選択です。

「経済学部は就職の時につぶしがきくから、経済学部の方がいいよ」

という話もあったのですが、天の邪鬼な私は、

「なんだそのつぶしがきくというのは!?俺は『なんでもできます』じゃなくてプロフェッショナルを目指す!」

とカッコつけて法学部を選択します。

しかし、法律の専門家と言えば弁護士、というイメージが強かったものの、大学受験も上手くいかなかった自分が超難関資格である弁護士を目指すなんて恐れ多い。

ということで、しばらくの間は将来何をしたいのか、どの業界で働きたいのかは思いっきり棚上げしていました。

そして大学3年生になり、いよいよ本格的に就職活動をしなければならない、というタイミングになり、ようやく考えはじめます。

「う~ん、プロフェッショナルになりたいと思って法学部に入ったものの弁護士は無理そうだし、なんかいい資格はないのかな???」

探してみると弁護士以外にもいろいろな法律の専門家がいるということに気づくのですが、就職という観点で考えるとなかなか厳しい。

求人を出しているのは大抵小さな個人事務所で、将来その資格を取得する前提の「見習い」みたいな形でお給料もかなり低く、ときめきません。

そんな中で、一般企業に負けないお給料で新卒採用をしている会計事務所を見つけます。

「お、会計事務所?へ~税理士という資格もあるんだ。コンサルタントみたいなカッコいい仕事で社長と直接やり取りする面白そうな仕事だし、お給料も結構いいから説明会に行ってみようかな」

というノリで会社説明会にエントリーしたのがスタートです。

当然そこには

「中小企業の経営に貢献したい!」

「日本の経済を元気にしたい!」

みたいな志は全くありません。

「面白そうな仕事がしたい」

「ちゃんとした給料をもらいたい」

という超フォーミーな動機です。

そもそも税理士という存在どころか簿記すらも全く知らない超ド素人だったわけですが、なぜか内定をいただき会計業界に入ることとなります。

今回は別に起業するタイミングの話ではありませんが、これぐらいの軽いノリで始めたって全然構わないということをお伝えしたいと思います。

私の場合は、そんな軽いノリで入った業界でしたが、結果として非常にやりがいがあり、自分の性格にも合った仕事でした。

そこで自分の得意なことを生かして人の役に立ちたいと考えて、税理士資格を取得して独立したわけです。

明確なミッションがない状態で起業したとしても、ビジネスがちゃんと回るようになっていけば、自ずと「この仕事を通じてどうなりたいのか?どのようにお客さんに喜んでもらいたいのか?」を考えるようになるはずです。

あとはそれをしっかりと明確にして発信していけば良いのです。