先日北海道新聞が読者モニターに対して「あなた、もしくはあなたの家族の職場で、今後もテレワークの導入が進んでほしいと思いますか?」というアンケートを行った結果が掲載されていたのですが、これが非常に興味深いものでした。

まずは結果ですが、「強く思う」「思う」という賛成派が60%、「あまり思わない」「全く思わない」という反対派が40%となっています。

賛成派の理由としては、

「通勤時や職場での『3密』を回避できる」

「好きな音楽や飲み物を楽しみながら仕事ができる」

「メールなどの記録に残るコミュニケーションが増え、言った言わないのトラブルが減らせる」

「体が不自由な人や、様々な理由で毎日の出社が困難な人にも仕事をするチャンスが生まれる」

「通勤の必要がなくなり、大都市への人口集中を解消できる」

「自然災害など職場に行けない状況下でも働ける環境を整えることにつながる」

「(家族として)家にいてくれた方が安心」

と言ったものが挙げられていました。

一方、反対派の理由としては、

「テレワークは時間と手間がかかり非効率。顔を合わせて話した方が仕事が早く進む」

「営業職のためテレワークでは顧客に真意や熱意を伝えきれず、業績が上がらない」

「生活が崩れやすい」

「仕事のオン・オフの区別が難しい」

「(家族として)食事の支度が大変。掃除の音にも気を使う」

「職業上、テレワークできない」

といったものが挙げられていました。

なるほど、なるほど。とても面白いですね。全てのコメントを見たいぐらいです。

さて、私の基本スタンスとしてはコロナに関係なく、テレワークが向いている業界・業種であれば積極的にテレワークを推進するべきだと考えています。

コロナのことを考えると「通勤時や職場での『3密』を回避できる」とか「外出自粛要請に対応できる」というメリットがあります。

また、コロナがなくても

「通勤時間をなくすことができる」

「子育てや親の介護、自分の体が不自由など様々な理由で出社が難しくても仕事ができる(会社にしてみれば優秀な人材のこれらの理由での退職を防ぐことができる)」

「台風や吹雪などの自然災害の際にも仕事をすることができる」

というメリットもあります。

ここ何回か働き方に関する記事を書いてきましたが、今回のコロナというのは働き方について根本的に考えて改革をする非常に良い機会だと思います。

「本当に1時間も2時間もかけて出社する必要があるの?」

「本当に1日8時間も働く必要があるの?」

「1日に何回も行われる会議は本当にやる必要があるの?」

「わざわざ高い家賃を払って都心にオフィスを構える必要があるの?」

「台風や吹雪などの自然災害の時にも出社しないといけないの?」

テレワークに関係なく、今まで当たり前と思っていたことについて、一度立ち止まって考えてみてはいかがでしょうか。

その流れで、「テレワークに移行した方が会社にとっても社員にとってもメリットがあるし、別にそれによってお客様に迷惑をかけないよね」という結論に至るのであれば、テレワークを推進していけば良いと思います。

とは言え、テレワーク一択と言いたいわけではありません。

そもそも医療や介護、飲食、物流関係などテレワークしたくてもできない業界・業種も結構あります。

また、そうでないとしても、「テレワークしたくても難しい住環境にある」ということもあるでしょう。

家族の「食事の支度が大変。掃除の音にも気を使う」という意見は結構大事だと思います。

配偶者がそう思っているのに、お構いなしでずっと在宅で仕事をしていたら、夫婦仲が悪くなってしまうかもしれません。

理想は「出社もテレワークもOK」という選択制ではないでしょうか。

テレワークで問題なく仕事ができる人はテレワークを選択し、住環境が難しい、家では集中して仕事ができないという人は出社を選択するという形であればテレワーク反対派が挙げるデメリットもある程度カバーできると思います。

なお、テレワークを推進するにはデジタルツールの活用が不可欠となります。

当然導入には時間もお金もかかります。

場合によっては「そんなの面倒だし、結局直接顔を合わせた方が話が早いんだから我社はテレワークなんて推進しない」という経営者もいることでしょう。

どちらを選択するかは自由ですが、割と近い将来の「テレワークが当たり前の世の中」で、テレワークNG出社オンリーという会社が社員に選ばれるかどうかという点はよくよく考えておくべきでしょう。

現状で世間の6割はテレワークを支持しているわけですから、「うちはテレワークに対応しています」という会社と「うちはテレワークNGです」という会社と、どちらが選ばれるのかは言うまでもありません。

ということで、経営者にとってテレワークはコロナに対応した単なる一過性のものではなく、将来のことを見据えて考えていくべき重要なテーマだと考えます。

当事務所でもクライアントの経理・会計、給与計算などについてデジタル化のサポートを行っていますが、今後はテレワーク導入についてのサポートも行っていきたいと思います。

これを機に真の働き方改革を進めていきましょう!