今回も引き続き勝間和代さんの最新刊『勝間式ネオ・ライフハック100』から話を展開したいと思います。

本書で100個紹介されているライフハックの中の一つに「1日3時間労働を目指す」というものがあります。

これは読んで字の如く「1日3時間以内で仕事を済ますことを目標にする」という意味となります。

「はぁ1日3時間しか仕事をしない?お小遣い程度稼ぐという話ならまだしも、きちんとした収入を得ようと思ったら3時間労働なんてあり得ない!」

と思われた方もいることでしょう。

我が国では労働基準法により1日の労働時間の限度を8時間と定められています。

これにより、朝9時からお昼休憩1時間を挟んで夕方5時まで働くいわゆる「クジゴジ」というのがすっかりと定着しましたが、実はこの8時間という労働時間には何の根拠もありません。

スウェーデンでは25年にわたる実証実験の結果、最も生産性が高い労働時間は6時間であることが判明しました。

6時間労働だと最も社員の満足度が高く、離職率も低くなるのだそうです。

そこで私も気になってグーグル先生に聞いてみたのですが、中には「スウェーデンの6時間労働は良いことだけではなかった」という気になる記事も・・・。

そこでその記事を読んでみるとある老人ホームの職員の6時間労働を実施したところ、職員の健康状態が改善し、病気休暇の回数が減り、入居者へのケアが向上した一方、追加で職員を雇用する必要から人件費が莫大に増加したという内容でした。

人件費のことを考えると短時間労働が合う業種と合わない業種がありそうですが、少なくとも我々のような事務職・ホワイトカラーには合うのではないかと思われます。

我々税理士業界というのは長時間労働が常態化しています。

私がこの業界に入った20年前は、日中はひたすら担当するお客様回りをし、夕方事務所に戻ってから記帳処理や決算処理というデスクワークを行うというのが当たり前のスタイルでした。

当然繁忙期には単純に業務量が上乗せされるので、土日返上は当たり前。

私は徹夜をしたことはありませんでしたが、徹夜をする上司・先輩も沢山いました。

程度の差こそあれ、おそらく当時の税理士事務所はどこも似たような環境だったのではないかと思います。

そこまでの長時間労働とは言わないまでも、8時間労働でも長すぎるなんて言われたら経営者の方は「そんなの働かなさすぎだろ!」と思うかもしれません。

しかしホワイトカラーにとって大事なのは「何時間会社に居たか」ではなく、「どれだけのパフォーマンスを発揮したか」です。

なんなら残業もしているけどダラダラと仕事をしていて生産性の低い社員と、6時間でむちゃくちゃパフォーマンスを発揮して超生産性が高い社員と、どちらの方を評価しますか?

どちらの社員に会社にずっと居て欲しいですか?

そう考えると

「いかに8時間働かせるか」

ではなく、

「いかに6時間で仕事が終わる仕組みを構築するか」

を考える方が健全と言えるのではないでしょうか。

勝間さんのように3時間労働でいけるようなハイパフォーマーはおそらく会社に収まらずに独立しちゃうのだとは思いますが、少なくとも「6時間労働ハイパフォーマー社員」というのはアリという前提で労働時間を考えてみてもいいのかもしれませんよ。