前回、アフターコロナ時代には学生の就職活動が厳しくなっていくのではないかというお話をしました(コチラ)。

で、なぜ急にそんな話をしたのかというと、それは7月23日放送の『カンブリア宮殿』を見たからです。

ゲストは日本電産の会長・永守重信さん。

たった一代で売上1兆5千億の会社を築き、また赤字企業を買収しては黒字企業に生まれ変わらせる稀代の名経営者と言えます。

その永守さんは2018年に京都にある大学の理事長に就任し、教育の世界でも改革を起こしています。

それはなぜか?

「大学が送ってくる学生は本当に役に立たない」

「英語は喋れない。専門性はない。経営学部を出ても経営のことを全然知らず、税金のことも何も分からない。名刺の出し方も知らないという人が毎年何百人も入ってくる」

「こんな学生を出してくる大学はおかしい。企業は社会が欲しいと思う製品をつくらないと買ってもらえない。でも大学は関係なしにそんな学生をバンバン出してくる」

「こんなことではいけない。欲しい人材を育成できる大学をつくるべきだ。」

ということで、本当に”即戦力となる人材”を大学で育成することを目的としています。

今までは永守さんがおっしゃるような役に立たない学生でもじっくりと育成して一人前にしていこうという流れでしたが、今回のコロナによりそんな悠長なことを言っていられない状況になってしまいました。

DX(デジタルトランスフォーメーション)により業務の効率化を図り、余剰人員を抱えないようにしようという企業は今後増えていくでしょう。

また、テレワークがさらに本格的に導入されるようになると、自立型・自律型の人材が求められます。

指示待ち人間だったり、マネジャーの目が届かなければ仕事をサボってしまうような人間であれば解雇はされない(できない)までも肩たたきの対象となってしまうのは間違いないでしょう。

しかし、残念ながら多くの大学ではそのように卒業後ビジネスの世界で使えることを教えてくれません。

なので、アフターコロナ時代の就職活動を行うにあたって必要となるのは、即戦力として求められるスキルを在学中に身につけることとなります。

名刺の出し方などのビジネスマナーはもちろんのこと、営業やマーケティング、会計のことを学んでおくだけでもかなりのアドバンテージとなるでしょう。

理想は規模が小さくてもいいので、自分でビジネスをやってみることです。

自分でビジネスをやればマーケティング、営業、会計、税金のことを嫌でも学びますし、単に本を読んで勉強するよりも実地で学ぶ方がよっぽど身につきます。

我々の時代と違って今はネットで簡単にビジネスをすることができます。

もちろん簡単にビジネスができるからと言って必ず儲かるとは言えませんが、うまくいけば儲けもの、うまくいかなかったとしても経験値は残ります。

もしも上手くいくようなら別に就職しないで起業家として自分でビジネスをやるという選択肢もあります。

多分そこまでやる学生は全体の5%いるかいないかという感じでしょう。

だからこそもしも実行できれば引く手あまたの存在となれます。

逆に言えば新卒採用をしている会社はどこの大学を出たかで判断するのではなく、「在学中自分でビジネスをやっていました」という学生をこそ採用していくべきでしょう。