7月19日放送の『がっちりマンデー!!』は「儲かる『ねだん』ビジネス」というテーマでした。

かの稲盛和夫さんも「値決めは経営である」とおっしゃっているように値決めは経営において非常に重要なテーマと言えます。

1つ目の儲かる「ねだん」ビジネスは埼玉県所沢市にあるオフプライスストアの「ラックラック・クリアランスマーケット」です。

こちらでは型落ちのブランドものを激安で販売しているのですが、1つのブランドだけでなく複数のブランドを1つのお店で販売しているという点で、アウトレットモールとは違います。

・・・と番組では紹介されていましたが、三井アウトレットパークなんかは巨大な施設内に複数の店舗が入っているので、そんなに違いはないのかな?なんて感じてしまいました。

それはさておき、あのゲオグループが新たに始めたビジネスということで、大きな倉庫を抱え在庫管理をしっかりできるという強みを横展開したという点は非常に面白いと思います。

今の時代、強みを生かした横展開をすることでリスクマネジメントをするというのはとても大事なことです。

2つ目の儲かる「ねだん」ビジネスは家事代行会社「ベアーズ」が始めた「あと値決め」システム。

ベアーズの家事代行サービスを初めて利用する人は、基本料金は通常の半額で、あとは実際にサービスを受けてその「内容」や「礼儀正しさ」「家事スキル」を何段階かで評価をするとそれに応じて料金が加算されるという非常にユニークなシステムです。

全てを最低評価すると基本料金のみでの支払いになりますが、利用者の90%以上はちゃんと追加料金を支払っているんだそうです。

これは返金保証の派生バージョンではないかと思います。

初めて利用する人は、どんなサービスを受けられるか分からない。通常料金で利用するにはハードルが高い。

で、もし実際に利用してみて期待していたレベルじゃなければ、全額返金されるわけではないにしても実質半額だけの負担で済む(全部最低評価なら)なら「だったら試しに利用してみようかな」と利用者増に繋がります。

満足度調査も兼ねていて非常に上手なやり方ではないでしょうか。

最後の儲かる「ねだん」ビジネスはダイナミックプラスが運用をてがけるダイナミックプライシングです。

これは例えばスポーツ観戦のチケットを日々細かく変動させることで売れ残りを防ぎ適正利益を生み出すシステムとなります。

他にもアパホテルやUSJも導入していることで有名ですね。

利用している企業はそれなりの規模があるので、中小零細企業が導入するのは費用面で難しそうな気はしますが、しかし、参考にすべき点もあります。

例えば我々税理士で言うと、申告期限ギリギリになってから相談のある各種申告については通常料金だけでなく「お急ぎ」の割増料金を上乗せしても良いと思います。

例えば確定申告時期にはそのような急ぎの案件が発生することが多いですが、それを仮にスタッフに振ったとすると振られたスタッフは通常の業務にオンされる形となるので場合によっては残業しなければならなくなります。

となると割増賃金を支払う必要がありますが、通常料金で引き受けてしまうとこの割増賃金の分だけ利益が減ってしまいます。

特に労働分配率で全体の給与をコントロールしているのであれば、このような案件が増えれば増えるほど、スタッフは残業して緊急対応しているにも関わらず給与に反映されないので、不満がたまってしまうことでしょう。

もちろん税理士事務所は物や空間(席や部屋)を売っているわけではないので、そんなに細かく料金を変動させる必要も意味もありませんが、「何が適正料金なのか?」というのは常に考える必要がありますね。