今日から5月ですね。

思えば昨年の今頃は前代未聞の10連休の最中であり海外旅行をする人も多く、そして平成が終わり令和の時代がスタートする初日ということでお祝いムード一色だったわけですが、今年はというと説明するまでもなく、コロナショックが終息する見込みもなくStay Home週間となっています。

コロナウィルスの感染拡大防止の観点で外出自粛、営業自粛が求められていますが、このことにより多くの業界でダメージを受けています。

観光業、飲食業、タクシーなどの交通業、スポーツジム、リアルのエンターテイメント業界など多くの企業が苦境に陥っています。

では全ての業界が売上を落としているのか?と言うとそんなことはありません。

外出自粛や在宅勤務などにより新たに発生したニーズにいち早く対応した企業は逆に売上を伸ばしています。

4月30日放送の『カンブリア宮殿』で取り上げられたのはまさに現在売上を伸ばしている代表格と言える「出前館」です。

出前館は2000年創業ですが、最初は「インターネットで出前が注文できる」という「出前仲介業」と言えるようなビジネスモデルでした。

出前可能なお店が集まるポータルサイトを運営し、注文が入ればお店に連絡。出前はお店が自分で行うというものです。

しかし創業当初の売上は月たったの2万円。

このままでは倒産するというタイミングで社長に就任した中村利江さんは注文内容をお店に伝える手段をメールからFAXに切り替えます。

まだ当時ではパソコンを持っていないお店も多かったのと、厨房に入っているとメールを確認する余裕がないのでせっかく注文が入っても見落とすという問題がありましたが、FAXに切り替えたことでその問題をクリアし、売上を伸ばします。

しかし、そもそも小さいお店であればせっかく注文が入っても出前する人手を確保するのが難しいという問題があります。

そこで、購読者数が減少しており、その売上をカバーする新しい収益の柱を欲していた朝日新聞に出前の部分を外注できないかどうか打診し、協力を得ます。

このことによって加盟店は料理を作ることだけに専念すればいいようになります。

現在では自社で出前も行うようになりましたが、さらに加盟店に対して出前の商品開発や料金設定などについてコンサルも行う「出前仲介、出前代行、出前コンサルタント業」とでも言えるように業態を変化させており、年商は66億円だそうです。

この成功のポイントは世間のニーズを的確に掴み、そこにハマるように改善・改革を行い、自社のリソースだけで足りない場合には他社の力を借りたという点です。

時代が大きく変わろうとしていますが、そういう時には色々な「不」が発生します。

「不便」「不満」「不信」「不安」・・・これらの「不」を取り除く商品・サービスを提供することはできないか?自社だけで難しいなら他の人の力を借りることで実現できないか?

ぜひそんなことを前向きに考えてコロナに負けないで欲しいと思います。