いまさら視聴しているドラマシリーズ(シリーズになっているのか!?)その3は、テレビ東京系列で2018年秋に放送されていた『ハラスメントゲーム』です。

「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」・・・連日、テレビやネットで取り上げられる「ハラスメント」事件。

会社で働く人だけでなく、全ての人が悩み苦しんでいるタイムリーかつセンシティブなテーマを真っ向から描くドラマ。

唐沢寿明さん演じる主人公・秋津渉は、スーパー業界大手の老舗会社「マルオーホールディングス」の富山支店店長。

ある事情から左遷され、家族で地方に移り住んでいた。

しかし、ある日、コンプライアンス室長として本社に呼び戻される。

そこには、社長や取締役たちのある思惑が隠されていた・・・。

「今日は被害者、明日は加害者」という言葉通り、現在ビジネスの世界には様々なハラスメントがあり、ドラマの中でもメジャーな「パワハラ」「セクハラ」「マタハラ」だけでなく、

世話焼きなおばさんが若い子に世話を焼く「世話焼きハラスメント」、略して「世話ハラ」や、

育メンパパが周りから疎まれる「パタニティハラスメント」、略して「パタハラ」など

「いや~そんなのもハラスメントになるの?」と思いながら毎回見ていました。

ハラスメントとは相手の意に反する行為によって不快な感情を抱かせることであり「行為者がどう思っているのかは関係なく、相手が不快な感情を抱けばハラスメントになる」という点がなかなか難しいところです。

ドラマでも、明らかに自分に非がある社員が「これは〇〇ハラだ!」と相手を訴えるというシチュエーションが見られましたが、そうは言ってもなんでもかんでも「不快な感情を抱いたら全てハラスメント」という訳にはいきません。

その点、マルオーの顧問弁護士である矢澤先生はちょっと頼りない存在かな~とは感じましたが、「業務上必要な指導を適正な範囲内で行う分」には別にハラスメントには当たらないわけです。

前回取り上げた『わたし、定時で帰ります。』でも上司・先輩にちょっと注意されただけで「辞めようかな~」という新入社員がいましたが、これで仮に「不快に感じたのでパワハラで訴えます!」と言ったところで、それは通りませんよという話になるわけです。

しかし、「適正な範囲」がどこまでを指すのかを明確にするのは難しいもの。

また、人によっても解釈が異なります。

昭和モーレツ時代を経験している人なら「俺らの時代は殴る蹴るは当たり前だった」という解釈をしてしまうかもしれません(もちろん、今の時代それをやったら即アウトです)。

ちょっと大変ですが、しっかりと社内のマニュアルを整備する必要があるでしょう。

そしてできれば社会保険労務士や弁護士といった専門家を頼って欲しいところです。

パワハラやセクハラを平気でしてしまう人は秋津室長に「クズ中のクズだ!」と言われちゃいますよ。