「働き方改革」の大号令のもとに労務法令が色々と整備されていますね。

残業時間の上限規制や5日間の有給休暇取得義務化などに代表されるように我が国における働き方改革とは「いかに労働時間を減らすか」に重きが置かれていると言っても過言ではありません。

もう何年も前から「ワークライフバランス」という言葉がありましたが、今まで長時間労働によってワーク(仕事)とライフ(生活)のバランスが合っていなかったのを、ちゃんとバランスを合わせましょうという流れとも相通ずるものがあると思われます。

確かに30年前には「24時間戦えますか」なんてCMソングもあったぐらいみんなが企業戦士としてモーレツに働いていましたが、それで家族をないがしろにした結果、熟年離婚をするケースなんかも見受けられ、「仕事ばっかりする人生ってどうよ?」という反省もあることでしょう。

ただここで勘違いしてはいけないのはワークライフバランスだからといって常に仕事とプライベートの割合はイーブンでなければならないということではないという点です。

要は1日24時間として睡眠時間や身支度の時間が8時間、仕事8時間、プライベート8時間という割合を常にキープすることがワークライフバランスであり、働き方改革で目指すものであるということではないということです。

特に新入社員がこの考え方を持つとかなり痛い目に会うと言えます。

仮に入社前にインターン制度などを利用していたとしても、やはりまだまだ半人前。

まずはいち早く戦力となるためにも、最初は結構負荷をかける必要があります。

自転車の漕ぎはじめにめちゃくちゃエネルギーを使うのと同じ論理です。

これは別に新人だから長時間労働をさせろという意味ではなく、定時に帰ってもいいけど、自主練は必要だよねという意味になります。

私が新卒でこの業界に入った時には税法はおろか、簿記の知識も乏しかったですし、ビジネスの仕組みなど知らないことだらけでした。

ありがたいことに上司からは「新人は残業なんてせずに定時にあがって、そのぶんしっかり勉強しなさい」と言ってもらえたので、素直に勉強に励んだものです。

平日の夜もそうですし、土日も図書館に籠って勉強していました。

当時の仕事(勉強も含む)とプライベートの割合は8:2ぐらいだったのではないかと思います。

当時は実家暮らしでしたが、毎日フルパワーで仕事と勉強をしていたのでいつも夜に寝落ちしては親に「布団で寝なさい!」と言われていたものです。。。

ただ、そうやって最初にめちゃくちゃ負荷をかけたお蔭で、その後自分のペースを確立することができましたし、なんだかんだで独立した今にも続く基礎を作ることができました。

もちろん今はそんなバランスにはしていません。

ただ、やはり冬場(12月~3月)の繁忙期には仕事とプライベートの割合は8:2ぐらいになります。この時期は趣味の神社巡りもほとんどできません。

でも繁忙期を過ぎた例えば今の時期なんかはもっとプライベートの割合を高めて神社巡りをしたり、ライブに行ったりと楽しみの欲求を満たしています。

法令順守は大事です。私も社会保険労務士として「残業時間の上限規制は無視してめちゃくちゃ働きましょう」なんて言いません。

ただやはり成長したいなら、ひとかどの人間になりたいのであれば、「ここはアクセルをベタ踏みするところだ!」という勘所で「働き方改革だから」「ワークライフバランスだから」とぬるいことを言っているようでは成就しませんよ、ということは言っておきたいと思います。

逆説的にはなりますが、こうやって一時期だけでもあえてバランスを崩して頑張ることによって、結果として将来ワークとライフのバランスを取れるようになると思いますよ。