5月27日放送の『芸人先生』は前回に引き続きものまね界のレジェンド・コロッケさんを講師に迎えての「ものまねタイトルはビジネスヒントの宝庫だ!」講座でした。

コロッケさんのものまねのタイトルには「歌っている途中に友人を見つける長渕剛」とか「歌っている途中に寝る中島美嘉」など「なんじゃそりゃ??」となるものが沢山あります。

実は昔のものまね番組では「それではコロッケで美川憲一のものまね」と紹介されてものまねをするという流れが一般的だったそうですが、そうなるとよほど似ていてたとしても2~3回見たら飽きられたんだそうです。

そうではなく何度でも見たくなるようなものまねをするにはどうしたらいいのか?ということを考えた結果、「先に気になる言葉を投げると相手の興味を引くことができる」ということで、「歌っている途中に寝る中島美嘉」といったようなタイトルをつけるようになったんだとか。

最初にこう言われてものまねが始まったら、やはり見ている方としては「どこで寝るの?どうやって寝るの?」とかなり気になりますよね。

結果、めちゃくちゃ興味を持って見ちゃうということでまんまと思い通り。「コロッケのものまねは面白い!」ということでひっぱりダコになったというカラクリです。

今回は番組冒頭に某玩具メーカー(BANDAI)の社員さんから「プレゼンをするときのツカミが苦手」というお悩み相談があったのですが、このように「なになに?それどういうこと?」と気になるようなツカミとなる言葉を先に投げるとプレゼンされる側もかなり興味を持って話を聞いてくれそうです。

さらにもうワンポイント!

それは「逆説的な言葉は興味をそそる」というものです。

先程の「歌っている途中に寝る中島美嘉」は「歌う」と「寝る」という相反する言葉が並んでいます。

「いや、歌いながら寝るなんて無理じゃん!」と思いながらも、超気になる!

とは言え、説明しすぎは逆に興ざめです。

もう一つのポイントが「伝えるために伝えすぎるな!」。

先程の「歌っている途中に寝る中島美嘉」を「『雪の華』というバラード曲を吐息が漏れるように歌いながら寝落ちしちゃう中島美嘉」まで説明しちゃうと、もう見る前から何となくわかってしまって興ざめしてしまいます。

この辺のテクニックは私のような法律の専門家でも例えばセミナーなどでお話しする際にはかなり使えると思います。

法律の専門家って真面目で、きちんと全部説明しないといけないというある種の義務感があったりするので、あれもこれも話してしまう傾向にあります。

もちろん参加者も法律のセミナーにエンターテイメント性は求めていないでしょうが、でも、そうやって「え、それってどういうこと?」と興味を持ちながら話を聞く方が楽しいですし、記憶に残りやすいでしょうから。

もちろんものまねはやりませんけどね(笑)。