新しい元号が発表されました。

5月1日から元号は「令和(れいわ)」に変わります。

この元号には「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」という意味が込められているそうですね。

また、発表後の記者会見で首相は「厳しい寒さの後に春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、明日への希望とともに、それぞれの花を大きく咲かせることができる。そうした日本でありたい、との願いを込めた」ともおっしゃっていました。

また、出典が『万葉集』というのは大きなポイントです。

これまで中国古典が典拠となっていたのが、今回初めて日本古典(国書)が典拠となったことから、「中国との関係が悪いからだ」と言う人もいますが、私が思うポイントはそういうことではありません。

『万葉集』は我が国最古の和歌集ですが、この中には天皇や皇族といった身分の高い人たちの歌だけでなく、下級役人や農民や防人などの一般庶民の歌や、さらには遊女や乞食(芸人)といった当時の最下層の人々の歌も収められているという点こそが最大のポイントです。

当時身分に関係なく、素晴らしい歌を詠む文化があったというのも素晴らしいですし、身分に関係なく一つの歌集に収めているというのも素晴らしいポイントです。

思えば平成は戦争のない平和な素晴らしい時代ではありましたが、その一方で経済的には非常に厳しく、日本人が誇りや自信を失ってしまった時代とも言えます(まだ終わっていませんが)。

そんな厳しい寒さの後の春の訪れを告げ、見事に咲き誇る梅の花のように、一人ひとりの日本人が、しかも『万葉集』にあるように身分に関係無く、多様性を持って、それぞれの花を大きく咲かせる、そんな時代を表すのが「令和」と解釈しています。

他方、「令という字は『命令』や『規則』を想起し、国が国民をコントロールするイメージがある」と解釈する人もいるそうです。

もちろん解釈は自由です。

事実は一つ、解釈は無数。

しかし、否定的解釈をしても元号が変更になることはありません。

新元号を見聞きしたり、自分で書いたりするたびに「嫌な元号だな」と思うのと、「いつ見ても素晴らしい元号だな~」と思うのと、どちらが豊かな人生と言えるでしょうか?

元号だったり天皇の話になると右だ左だという話になったりしますが、それ以前に、変わらない事実に対して肯定的解釈をするのか、否定的解釈をするのか、どちらの心の在りようでいたいのか?にフォーカスをした方が豊かな人生を歩めるのではないかなと思うのですが、いかがでしょうか?