私は子供の頃から本が大好きで、学校の図書室や市の図書館などに入り浸っていました。

子供向けの小説だけでなく、伝記や、ホームズ、ルパン、江戸川乱歩などのミステリーものなども(意味が分かっていたかは別として)読んでいました。

もちろん漫画も読みましたし、ファンタジー・SFなどの小説にハマっていた時期もあります。

社会人となってからも読書の習慣は続いていますが、ただかなりの割合がいわゆる『ビジネス書』『自己啓発書』となってしまい、趣味・教養に関する本を読む機会はめっきりと減ってしまいました。

こういう趣味・教養に関する本を読むことって何か意味があるのでしょうか?

ビジネスパーソンであれば『ビジネス書』や『自己啓発書』のみを読み、スキルアップに励むべきなのでしょうか?

そんな疑問を解消すべく手に取ったのが、ベストセラー著者である齋藤孝先生の『読書する人だけがたどり着ける場所』です。

結論から言うと、趣味・教養に関する本もどんどん読むべし!となるのですが、そのような本を読むことがどういう意味を持つのか?という点についての気付き・学びについてシェアしたいと思います。

①「深い人」になることができる

特に趣味・教養に関する本を読む際に、雑学や豆知識を得て「物知り」になることを目的とすると「浅い人」になってしまいます。「俺はこんなことも知っているんだぞ」とやたらと知識をひけらかす人って面倒臭いじゃないですか。

そうではなく、読書をすることで物事の「本質」を捉えて理解するという能力を鍛えることができれば、それを知識ではなく知恵として様々な場面で使いこなすことができます。

例えばジャパネット前社長の髙田明さんは世阿弥の言葉をご自身なりに解釈して会社経営に生かされていますが、このように実際に知恵として使いこなすレベルを目指したいところです。

②他人の人生を追体験することができる

人生で体験できることには限りがあります。しかし経験が少ないほど「想像の及ばない」物事が多くなり、自分と環境が全く違う他人の気持ちを想像するのも難しくなります。

しかし、本を通じて他人の人生を追体験することで、他人の気持ちを理解して認め、受け入れることができるようになります。

このお話は以前取り上げた藤原正彦先生の『国家と教養』にも同じようなことが書かれていました。

最近ちょっとしたことでもすぐ批判したり、揚げ足を取ったり、攻撃したりするような風潮にありますが、それは本を読まない人が多く、他人の気持ちを理解する能力が低い人が増えているからではないかと感じています。

③勝ち負けよりも生き方

文学とは経済的成功や勝ち負けとは違う次元で成立しているので、文学の世界に浸ることで、そういったことよりも「生き方」について深く考えることができます。

たまに自己啓発書を沢山読んでいるけど、自分の生き方に迷っているという人に出会うことがありますが、それはもしかするとこのような文学を通ってきていないからかもしれません。

 

ということで、どうやら趣味・教養に関する本を読むことも人生にとっては非常に意味のあることのようです。

ただ大切なのは漫然と読むのではなく、それらの本を通じて何を得て、どう糧にしていくかということではないでしょうか。

そういうことを意識して読むのであれば、別に難しい本ばかりではなく漫画だって意味があると思います。