4月末をもって平成が終わるということで昨年末あたりからやたらと「平成最後の○○」というフレーズを聞きますが、今回はまさに平成最後となる様々な「○○参り」について取り上げたいと思います。

まずは「お一日参り」です。「お朔日参り」とも書きますが、これは文字通り毎月1日に神社に参拝することを言います。

月の満ち欠けの周期を基にした太陰暦(旧暦)では1日が新月、15日が満月に当たります(現在の太陽暦では微妙にずれています)。

そこで日本では昔から新しい月の始まりである新月の日、すなわち一日(ついたち)に神社に参拝し、「無事に過ごせた1ヶ月の感謝」や「新しい月の無病息災」などを祈念する習慣がありました。

ちなみに月の始まりは、月の満ち欠けによる「月立ち」が転じて「ついたち」と呼ぶようになったという説もあるそうです。

私は毎月1日には事務所のすぐ近くにある三吉神社(さんきちさん)に御一日参りをしています。

繰り返しになりますが、平成も4月末で終わります。

ということは、平成時代に御一日参りをできるのは今度の4月1日が最後ということになるわけです。

皆さんもぜひ「平成最後の御朔日参り」をされてみてはいかがでしょうか?

ところで、「月の始めに神社に参拝する」という習慣があるのであれば、「月の終わりに神社に参拝する」という習慣は無いのか?と思われた方もいるのではないでしょうか。

はい、あります!

それは「晦日(みそか)参り」です。

こちら、詳しい由来はよく分からないのですが、先ほどの「お一日参り」における「無事に過ごせた1ヶ月の感謝」の気持ちを神様に伝える習慣となります。

つまり「晦日参り」で過去1ヶ月の感謝を伝え、「お一日参り」で向こう1ヶ月の無病息災などをお願いするという形です。

ちなみにこれとは別に日本では古来より半年に一度身についた穢れを祓う「大祓」という行事もあります。

6月末に行われるのは「夏越の大祓」、12月末(大晦日)に行われるのは「年越えの大祓」と呼ばれていますね。

このように「一日(ついたち)」「晦日」というのは節目となる大事な日となります。

特に来月4月30日は4月の終わりでもありますが、平成の最後の日という特別な日ともなりますので、ぜひとも神社に足をお運びください。

さて、月の満ち欠けで考えると新月である一日に参拝するのと対になるのは満月である15日ではないかと思った方は鋭い!

多くの神社では毎月1日と15日に月次祭(つきなみのまつり・つきなみさい)が行われています。

これは月毎に国の平和と崇敬者の安泰を祈るお祭りとなります。

月参りとも呼ばれ、この日にお参りをするとご利益があるとも言われています。

私もこうして素人ながらも神社のことを発信していると、たびたび「神社はいつ参拝するのがいいのでしょう?」と質問をいただいたりします。

喪中などの特別な事情がない限りは変に気にせずに行きたいときに行けばいいんじゃないですか、なんてお答えしているのですが、それでもきっかけになるとすれば今日ご紹介したような「お一日参り」や「晦日参り」「月参り」を意識してみてはいかがでしょうか?