神社に欠かせない光景の一つがずらっと並んだ絵馬です。

受験生の合格祈願や、「いい人と出会えますように」「お金持ちになれますように」など様々な願いを乗せた絵馬を奉納した経験がある方も多いのではないでしょうか?

ということで、今回は「絵馬」をテーマに語ってみたいと思います。

「絵馬」は文字通り「絵の馬」ということですが、これ、一体なんなんでしょう?

答えられないとあの子に叱られちゃうかもしれませんよ(笑)。

絵馬は、神々にお願いする際に、本物の馬を奉納していたことに由来します。

古くから馬は神の乗り物とされていました。

これを神馬(しんめ)と言います。

しかし生きた馬を奉納するのは大変です。

奉納される神社側にとっても、馬の世話をするには手間がかかりますし、餌代などお金もかかります。

そこで、木彫りの馬像や板絵などを神馬の替わりに奉納してもOKということになり、それが絵馬となっていったのです。

遺跡からも出土していて、絵馬の原型は奈良時代からあったようです。

室町時代から馬以外の図も現れ、徐々に大型化する傾向も出てきます。

専門の画家が腕をふるった額形式の豪華な大絵馬が登場し、絵馬を掛け観賞するための絵馬殿が造られたりもしました。

江戸時代には葛飾北斎など数々の浮世絵師が絵馬をキャンバスとしたそうです。

一方、一般の絵馬師や参拝者自身が描いた小絵馬も生まれ、これらは拝殿内や境内の絵馬掛けに吊るされました。

絵の題材は、大絵馬には武者や歌人、小絵馬には祭礼の模様や干支、祈願の内容など様々でした。

そして、その小絵馬が現代へと繋がっているのです。

結構いろんな神社が個性を出していて、例えば京都にある河合神社では、自分の化粧道具を使って「なりたい顔」を描く鏡絵馬が大人気です。

また近年ではアニメや漫画の舞台となった神社では、「聖地巡礼」の一環として、作品に登場するキャラクターを描いた「痛絵馬」が多く奉納される傾向にあります。

「ラブライブ!」というアニメの舞台となった神田明神では、そもそも神社側が積極的にアニメのキャラクターが描かれた絵馬を頒布しているぐらいです。

なお、現在も神馬のいる神社があります。

神田明神や大阪市の住吉大社など、いずれも由緒ある神社です。

中でも伊勢神宮の神馬は皇室から送られたもので「御馬(みうま)」と呼ばれています。

写真撮影OKなことが多いですがフラッシュ撮影をするとビックリしてしまいますので、フラッシュはたかないように気を付けましょう。