先日の『情熱大陸』では”銭湯イラストレーター”の塩谷歩波さんという方が取り上げられていました。
「銭湯」「イラスト」と来るとあの富士山などの壁画をイメージしてしまうのですが、そうではなく、銭湯全体を俯瞰で表現した「銭湯図解」というイラストを描かれています。
※どんな感じかはぜひコチラのオフィシャルサイトで御確認ください。
現在は東京・高円寺で86年の歴史を持つ銭湯『小杉湯』の番頭をしながら、全国各地の銭湯を訪ね歩いてユニークなイラストで銭湯の魅力を発信されています。
番組冒頭で、銭湯の魅力を熱く語る塩谷さん。
その姿を見て「世の中いろんな仕事・職業があるけど、これまた変わった仕事だな~。どうやってこの仕事に辿り着いたんだろう?」と興味が湧きました。
番組が塩谷さんの人生を辿ります。
幼少時代から絵を描くのが大好きで、その中でも特に建物・建築物を描くのが好きになり、早稲田大学で建築学を学びます。
卒業後建築設計事務所に就職しますが、仕事を頑張りすぎた結果体調を崩し、休職。
そんなときに友達に誘われて行った銭湯で傷ついた心身を癒され、そんな銭湯に恩返ししたいと考え、建築の世界で学んだ建築図法(アイソメトリック)を用いて建物を俯瞰を描き、その魅力を「銭湯図解」として描き始めたのが”銭湯イラストレーター”としての原点なんだそうです。
休職中はただ寝ているだけしかできず、「周りの友達は仕事を頑張っているのに自分は何をやっているんだろう」とかなりネガティブな感情に。
また、「早稲田を出て、建築事務所にも就職したのに、銭湯の番頭ってドロップアウトだな、と思ったこともありました」とも。
でも、ここで腐らずに、自分の得意なこと(建築)と自分の好きなこと(銭湯)を掛け合わせて新たな仕事を生み出し、それに誇りを持って堂々と発信している姿を見て、人生何がどう転ぶか分からないものだな、と感じました。
休職して療養しているときに「自分は何をやっているんだろう」とネガティブな感情になることはごく自然なことだと思います。
よく「ポジティブ思考」「ポジティブシンキング」と言いますが、このネガティブな感情を無視して無理やりポジティブに捉えようとしても心も身体も付いていけません。
でもずっとネガティブなままでも人生なにも好転しません。
塩谷さんの場合は、銭湯に出会ったことによって「この世界なら自分もやっていけるかも!」とポジティブスイッチが入り、その結果、”銭湯イラストレーター”という唯一無二の存在になりました。
辛いことや挫折があっても、それをどう解釈し、ネガティブな感情を抱いてもそれをどう陽転させるか。
それが自分の人生を主体的に生きるポイントだと改めて感じた次第です。
皆さんは自分の人生を主体的に生きていますか?