土日をまたいでしまいましたが、金曜日から引き続き「小休止のすすめ」の学び・気付きポイントについてご紹介したいと思います。

前回は芸能界を10年間に渡り「小休止」し、現在再ブレークしているヒロミさんを取り上げましたが、今回はサイバーエージェントの社長として起業以来ずっと第一線で活躍されている藤田晋さんのパートを取り上げたいと思います。

ヒロミさんのように完全にその世界から一旦離脱した、という意味での「小休止」ではありませんが、バリバリの経営者ならではの気づきポイントが沢山あります。

①人生は基本「ノー・ペイン、ノー・ゲイン」

藤田さんと言えば創業当時週に110時間働くということを自分に課して実行していたそうですが、そうやって最初に圧倒的に時間を投下したことによって事業を軌道に乗せ、そして今のサイバーエージェント社があります。

その精神はまさに「ノー・ペイン、ノー・ゲイン」。

世の中にはスイスイと万事順調そうに見える人がたまにいますが、そんな人でも必ず何らかの代価の先払いをしているハズです。

見当違いの努力は報われませんが、正しい選択をした上での圧倒的な努力は必ず成果に結びつきます。

まぁ、小休止とは真逆の話になりますし、週110時間労働を他人にさせたら大問題ですけどね。

②勝算がない勝負はただの無謀

藤田さんは著書『渋谷で働く社長の告白』で「会社を作ることは決めたものの、事業内容はぎりぎりまで決まらなかった」と書いたことから、「僕も藤田さんと同じようにお金もアイデアもないけど会社を辞めて起業します!」と言われたことがあるそうです。

藤田さんは事業内容こそ決まっていなかったもののサラリーマン時代営業職で結果を出していたので「この型があればとりあえずは売上は立てられる」という勝算ありきで起業されています。

しかし、それを自分の都合の良いように解釈して「会社に不満があるし、自分だったら何かやれそうな気がするからとりあえず起業する!」というのはただの無謀です。

これは私も起業を支援する立場としてしっかりと伝えていきたいと思います。

③「良いプライド」と「悪いプライド」は違う

経営者の中には事業が上手くいっていても、その後失敗したり何らかのトラブルに巻き込まれ、手にしていたものを失ってしまう人も少なくありません。

この際に「悪いプライド」にしがみついていると生活の質を下げることができず、無理をしているけれど、周りにはそれが「落ちぶれた感」として伝わってしまうと藤田さんは言います。

これは現状の自分を受け入れ上手に小休止できなかったことによります。

実際皆さんの周りにもそのような方はいませんでしょうか?

事業が失敗してしまうのはできれば避けたいところですが、そうなってしまったら仕方がありません。

しかし、そこで悪いプライドにしがみついて生活の質を保とうと、つまり見栄を張ろうとすると資金繰りは厳しくなりますし、結局周りの人には気付かれてしまいますし、気を遣わせてしまいます。

実際こういう経営者を知っていますが、事業内容が厳しくなっても昔買ったベンツを手放すことができず、表向きは生活の質を保っているように見せかけてはいますが、各種支払いが遅れがちで方々に迷惑をかけてしまっていたりします(当事務所のクライアントではありません)。

こういうプライドをいかに捨てられるかが大事なことだと思いますが、その一方で「良いプライド」とはやはり品質や技術です。

結局「良いプライド」か「悪いプライド」かというのは矢印が自分に向いているのか他人に向いているかの違いとなりそうです。