色々な勉強会や交流会などに顔を出すと、たまに稼ぐことについて否定的な人に出くわすことがあります。
「稼ぐって何かガツガツしていてイヤ」
稼ぐって悪いことなんでしょうか?
”カリスマ・マーケッター”である神田昌典さんが2016年に出された『稼ぐ言葉の法則』という本の中にこんな表現があります。
【「稼ぐ」という言葉からは、愛する家庭に糧をもらたす光景をイメージできる。
また、古来の日本には、収穫した稲穂を天からの恵みと考え、食物の神様である豊受大神を祀る神社に奉納する習慣があったことを考え合わせると、稼ぐとは、地域全体が繁栄するための奉仕を意味していると思う】
【私たちは、どんな理想の未来のために奉仕するか?
このように、奉仕するもの同士が出会えるからこそ、私たちの心の中に、仕合わせ(=幸せ)が満ちるのである】
↑とても良い本ですので、是非ご一読を
「稼ぐ」ということに対して悪いイメージを持っている人は
「お金持ちは何か悪いこと(人を騙したり脱税行為をしたり)をしているに違いない」
「お金持ちは自慢したり人を馬鹿にしたりしていて鼻持ちならない」
「お金お金と言うと賤しい人のようで恥ずかしい」
「稼ぐとは相手から奪うことだ」
といったようなパラダイム(思考の枠)に捉われている傾向にあるな、と感じています。
まぁ、確かに実際にそういう人もいるでしょう。
悪いことをしてお金を稼いだ人、お金を持っていることを自慢したり人を馬鹿にして人望のない人、お金の亡者でなるべく付き合いたくない人。
ただ、そういう人は極めて稀ですし、そもそも真っ当な商売をして稼ぎ、お金持ちになったとしても謙虚に生き他人を馬鹿にせず、自分が豊かなのであれば、周りの人も豊かになるように分け与えるような人間になればいいのではないでしょうか?
このブログで何度も何度も書いていますが、起業家にとって「稼ぐ力」は非常に大事です。
自分でビジネスを始めても稼げなければ食べていけませんし、ビジネスも継続することはできません。
中小企業庁のデータによると中小企業の倒産原因の実に約7割が「販売不振」、すなわちきちんと稼げないことにあるそうです。
また、私も実際に今まで売上を上げることができなくて、すなわち稼ぐことができなくて会社を畳む経営者を数多く見てきました。
会社を畳むと家族、社員、顧客、取引先、金融機関など多くの人に迷惑をかけてしまいます。
いついかなる時も絶対に会社を畳んではダメ、とは言いませんが、そうやって周りに迷惑をかけないためにも、まずはしっかりと稼ぐことは経営者の責務だと言えるでしょう。
そのために必要なことの1つが、これまた何度も言っている知識・技術です。
どうすれば稼ぐことができるのか、という原理原則は存在しているわけですからそこは是非とも髙田先生から学んでいただきたいと思います。
そしてもう1つが、「稼ぐことは悪いことだ」という考え方から「稼ぐことは良いことだ」という考え方へのパラダイムシフトです。
「稼ぐことは悪いことだ」というパラダイムのままでどんなに稼ぐための原理原則を学んでも、ほぼ間違いなく実行に移しません。
例えば髙田先生が「だったら、身近なこういう人に私の商品・サービスってどうですか?って聞いてみたらどうですか」と提案しても「いや、周りの人にそんな話をするなんてガツガツ営業かけているようで嫌です。無理無理!」というように必死で抵抗したりします。
※なお、髙田先生は「売り込め」というたぐいのことは一切おっしゃいませんので誤解無きよう。
このような状態だとどんなに商品・サービスが素晴らしいものであっても、売上をあげるための原理原則を学んだとしても、稼げません。
だって、稼ぐことを全否定しているんですから。
神田さんは
【稼ぐとは、地域全体が繁栄するための奉仕を意味している】
とおっしゃっています。
周りに奉仕・貢献ができるのは『稼ぐ人』です。
自分や家族、社員(とその家族)、顧客、取引先などを豊かにするためにも、そして地域全体の繁栄に奉仕・貢献するためにも是非とも『稼ぐ』ことを肯定してくださいね。