5月30日放送の「がっちりマンデー!!」は「月刊食堂編集長プレゼンツ!儲かる『業態変え』店!」というテーマでしたが、これが非常に興味深い内容でした。
長引くコロナ禍により多くの飲食店がダメージを受けていますが、今回取り上げたお店は業態変えをしたことで「がっちり」と儲かっています。
まずはもともと激辛麻婆麺のお店だったのを芋スイーツ店にガラッと業態変えをしたお店。
元々のお店はインバウンドのお客さん狙いのお店でしたが、コロナにより売上が激減。
そこで通りがかりのお客を待つのではなく、お店自体に目的を持って来店してもらえるような業態作りをしないとこれからの時代は厳しくなると考え、ネットで話題になるような”映える”芋スイーツ店に業態変えしたところ元々のお店は月商300万円だったのが950万円と3倍以上の売上に!
もちろんコロナ前にも”映える”をウリに人を集めるお店は沢山ありましたので新しいやり方という訳ではありませんが、しかしこのやり方はコロナ禍においても通用するということが証明されました。
次に紹介されたのがもともと海鮮居酒屋なのですが、ランチタイムだけラーメン店に業態変えしたお店です。
こちらはちょっと複雑な話になるので詳細は割愛しますが、自分のお店でラーメンをイチから作っているわけではなく、ラーメンのプロデュースをしている別の会社がラーメンのメニュー開発をしているという仕組みとなります。
これにより居酒屋のままランチに刺身定食などを出していたときは月商50万円だったのが、ラーメンに変えたことにより月商240万円と4倍以上の売上に!
最後に紹介されたのはもともと肉バルだったお店を焼肉屋さんに業態変えしたお店です。
焼き肉ランチが50分食べ放題で1,100円となっているのですが、その提供方法が変わっています。
その名も「おまかせストップ方式」。
お客さんが来店するとまずは重さ500gの肉の盛り合わせを勝手に出します。
そのあとは皿の肉が減っていくと「お肉足しておきましょうか?」と店員さんが肉を追加。
「もういいです」とストップがかかるまでおまかせで肉が追加されるという形式の食べ放題となります。
この方式を取ることによるお店のメリットは次の3つ。
①その日あるものを順番に出すのでいいものを無駄なく出せる
②普通の食べ放題のように注文して余らせることがほぼない
③店員さんがオーダーを取りに行く手間が一切ない
つまり、廃棄ロスと人件費を大幅に削減できるビジネスモデルと言えるわけです。
もともとの肉バルのお店は月商150万円まで落ち込んでいたのが、業態変えにより240万円まで回復。
さらにはこの方式を別のお店にも横展開して「がっちり」と儲かっています。
コロナ禍により、例えばワタミグループはいち早く居酒屋から焼肉屋や唐揚げ屋への業態変えを行いました。
そして今回取り上げたお店のように大企業でなくてもちょっとした工夫で業態変えを行い、コロナ禍で落ちてしまった売上を回復させたり、さらに何倍にも増やしています。
現在緊急事態宣言によりここ北海道を含めた複数の都道府県で飲食店の営業時間やアルコールの提供に制限がかかっていますが、それにより売上や資金繰りが厳しいお店が増えています。
最悪なのは「なんとか耐えて頑張ろう」とじっとしているうちにお金が底を尽き、お店を閉めなければならないという事態です。
もちろん業態変えをするにも色々お金はかかります。
できればお金にまだ余裕があるうちに「今のままの業態でお店を続けてコロナが落ち着くまでもつのか?」を冷静に考えて、もしもそれが難しいようであれば業態変えに活路を見出してみませんか?