前回は「税理士のお仕事①」ということで、我々税理士に求められている役割と、税理士にしかできない独占業務について整理しました。

独占業務はざっくり言うと「税務書類を作成し税務署などに提出すること」と「税金に関する相談を受けること」となります。

こうまとめると非常にシンプルで、税務署類の作成・提出というのは表現はなんですが「代行屋さん」としての仕事です。

なので、要は税理士のお仕事というのは代行業と税金に関する相談・質問に答えることとなります。

シンプルと言えばシンプルですが、まずはこの認識を持ってもらうことが大切です。

もちろん実際には他にも色んな仕事をしているのですが、独占業務以外の業務というのは別に税理士じゃなくてもできる仕事です。

ただ、税理士というのは独占業務を行う中で会社の財務状況など様々な情報を知ることができますので、それに付随して仕事をするのに適したポジションにいることは間違いありません。

経営者にしても会社の財務状況などのセンシティブな情報をそんなに色んな人に開示したくないでしょうから、財務状況を把握している税理士がそれを踏まえて色々とやってくれる方がいいとお考えの方が多いと思われます。

ということを踏まえて具体的な税理士のお仕事を整理していきたいと思います。

①税務書類の作成・提出

まずはなんと言ってもこれでしょう。

申告書にしても届出書にしても我々以外の人が記載するのはなかなか大変です。

所得税の確定申告でも例えばちょっとしたふるさと納税とか住宅ローン控除とか医療費控除であればそんなに難しいことではありませんが、事業をされている方の場合は決算書なども作成する必要があります。

たまに納税者ご自身で作成した決算書を拝見する機会がありますが、「うわ~、なんじゃこりゃ!」という内容(つまりかなり間違っている)であることが多々あります。

これが会社の申告書になるとさらに複雑になり、手引書を見ればなんとかなるというレベルではないので、税理士以外の方が作成するのはほぼ不可能と思われます。

また届出書ですが、特に消費税に関する届出書は提出できるタイミングなども含めてかなり複雑な制度となっています。

記入すること自体はそんなに難しいことではありませんが、出してはいけない書類を出してしまったり、逆に出したほうが良い書類を出さなかったがために納税額が大きく変わるということもあり、ではどの書類をどのタイミングで出すか、というのは我々専門家だからこそ判断できる部分となります。

「税理士が行う業務は税務書類の作成・提出である」と書くと「なんだ、そんなの当たり前だろ」と言われるかもしれませんが、実は非常に大事な業務と言えるのです。

ということで、まだ1つ目なのではありますが結構長くなってきたので、続きは次回としたいと思います。