税理士に対する不満として必ず挙げられるのが「全然アドバイスをしてくれない」というものです。
曰く「記帳処理や決算申告などの定型的な業務しか行わず、節税対策や経営のアドバイスなどの提案がなく、こちらから質問しないと答えてくれない」ということで不満に感じ税理士変更を検討する経営者も多いそうです。
私はこういう経営者の不満や求めている料金などを調査するために複数の税理士紹介サイトに登録しているのですが、大体どのサイトでも、「上記のような不満を抱えているのであれば当サイトで税理士変更を検討してみませんか?」という謳い文句が並んでいます。
まぁ確かに世の中には「税理士は適正な税務申告をするのが仕事だからそれ以外のことはやらない」というスタンスの税理士もいなくはないでしょう。
それでも例えば税務調査に入られても一切追徴されない完璧な申告をすることができる税理士なのであれば、アドバイスなどは求めずに単純に税務の専門家と割り切ってお付き合いするというのも一つの選択肢だと思います。
そうではなく、やはり顧問税理士には税務のこと以外にも色々と求めたいという経営者も多いことでしょう。
それではどうすれば、この不満を解消することができるのでしょうか?
税理士紹介サイトに登録していると、定期的に「こんな案件がありますが、手をあげませんか?」というメールが届きます。
それを見ると「年間報酬は15万程度で、記帳代行もお願いし、経営アドバイスもちゃんとして欲しい」みたいな内容のことが結構多かったりします。
・・・いや、そんなの無理やん。
これ、例えるなら賃貸物件探しで「駅から徒歩2分、築浅の3LDK、駐車場付きで家賃5万円で」と言ってるようなものです。
そんな物件あるかーーー!とおいでやす小田さんのように全力でツッコみたいお話しで、予算と求めている内容が全然合っていないってなものです。
年間報酬15万程度で記帳代行もやって、経営アドバイスもやって、なんてしていたら大赤字です。
我々もボランティアではなくビジネスでやっているわけですから、とてもそんな条件で顧問契約は締結できません。
(と、私は思っているのですが、でもそんな条件でも手をあげて顧問契約を締結する税理士さんもいるんでしょうね・・・)
以前は税理士報酬は税理士法で規定されていましたが、平成14年の改正により各税理士が自由に設定できるようになりました。
さらにはそれこそ税理士紹介サイトの台頭により、顧問料は低下傾向にあります。
顧問料を自由に設定できること自体は別にいいのですが、「顧問料はできるだけ安く、でもサービスはあれもこれも欲しい」というのは都合の良い話だと言えるでしょう。
ということで、「税理士が全然アドバイスしてくれない」を解消するポイントの一つとして「支払う報酬と求めるサービスが見合っていますか?」という点を挙げたいと思います。
これについては他にもいくつかポイントがありますので、次回以降解説していきたいと思います。