3月16日放送の「ガイアの夜明け」は「今こそ”原点”!百貨店サバイバル ~高島屋・三越伊勢丹の新戦略~」というテーマでした。
番組冒頭、2月末に東京・恵比寿にある三越が26年の歴史を経て閉店する様子が取り上げられましたが、百貨店業界は厳しい状況にあり、百貨店の店舗数は昨年50年ぶりに200店を割ったそうです。
百貨店、皆さんはよく行きますでしょうか?
私は割と事務所から近いところにあるので、行くことはあるのですが、用があるのはもっぱら地下のお菓子売り場、いわゆる「デパ地下」ぐらいです。
コロナ前は大黄金展などの催事があれば催事場に行くこともありましたが、催事場があるのは大抵最上階で、せいぜい最上階と地下階ぐらいにしか足を運びません。
その間にある紳士服などの売り場は完全スルーです。
で、こういう動きをする人は多いようで、地下階は人が多く活気があるのに、上の階に行くとガラガラで閑散としている・・・というのは多くの百貨店で見られる風景なのではないでしょうか。
おそらく百貨店で扱っているものと言えば「食品」「化粧品」「アクセサリー」「婦人服」「紳士服」「インテリア用品」「レストラン」「ギフト」「催事場」というのが一般的ではないかと思われます。
しかし、現在百貨店で扱っているもののほとんどはネットやアウトレットモールなどで買えますし、そういった所の方が品揃えが豊富です。
やはりそういった所にお客さんが流れて行ってしまうというのは時代の趨勢ではないかと思います。
番組では高島屋と三越伊勢丹という老舗がそんな中でもどのようにお客さんに来てもらうかという様々な取り組みが取り上げられていましたが、さてそれで上手くいくのか・・・。
私は個人的には百貨店というビジネスモデルというか「装置」が既に時代に合っていないのではないかと考えます。
例えば地元札幌にある三越の本館は地下2階、地上10階の全12フロアなのですが、そのうち5フロアが婦人服売り場です。
いや、そんなに婦人服ばっかり扱っても買いに来る人います?と思ってしまいます。
実は私の学生時代の友人が某百貨店で働いているので、別に百貨店が潰れてもいい、なくなってもいいとは言いませんが、根本的な在り方を変えていかないとこの先厳しいのではないかと思います。
このことから我々中小零細企業が学ぶべきポイントは以下の2点ではないでしょうか。
1点目は属している業界が歴史の古い業界なのであれば、そのビジネスモデルが時代遅れになっていないか考える必要があるという点です。
「昔は良かった」と過去の栄光にしがみついていても今そして未来の売上は生まれません。
もしも時代にマッチしていないのであれば、時代に合わせるために何を変えるべきなのかを考える必要があります。
2点目は「結局誰がターゲットなのかをよく考える」という点です。
百貨店はその名の通り「何でもあります」というビジネスモデルです。
それだけターゲットも広く設定しているのだと思いますが、一番化戦略コンサルタント・高田稔先生の言葉を借りれば「ターゲットが明確でないビジネスは上手くいかない」のです。
今の時代、「何でもあります」「誰でも来てください」というスタイルのお店は選ばれにくいでしょう。
中小零細企業こそターゲットを明確に絞りましょう!