1月17日放送の『がっちりマンデー!!』は「大がっちりマンデー!!スゴイ社長たちが大集合!!2021年の新年会」というテーマで、各界を代表する社長が集まり、「いま気になっている会社」を紹介するという内容でした。
毎年定番の企画なのですが、毎回興味深い会社が紹介されるので、個人的に非常に楽しみにしていたりします。
今回は北海道が生んだ大企業、ニトリの似鳥会長が紹介した「アグリトリオ」という会社のサービスが非常に面白かったです。
こちらの会社が運営しているのは人手不足で困っている農家さんと、農業をやってみたい人をマッチングする農作業専門アルバイト求人サイト「農How」です。
サイトを見ると輪菊の脇芽取りや花の苗を植える作業や、キャベツの収穫など様々な作業の求人情報が掲載されています。
しかも「○月○日の8時から12時まで」という形で結構ピンポイントな就労時間となっていますので、午前中ちょっと農作業してお金を稼げるし、身体を動かせるし、早起きできるしと色々とメリットがあります。
また農家さん側としても、農作業というのは毎日一定量があるわけでなくピンポイントで手伝ってもらえるということで大変ありがたいサービスなんだとか。
しかし、もちろん働きに来る人全員が農作業経験者というわけではありません。
素人が間違ったことをすると商品の価値が無くなってしまうリスクもあります。
かと言って人が来るたびに作業内容についてイチから説明していては手間がかかります。
実はこの「農How」の一番のがっちりポイントが、サイトに載っている農作業マニュアルです。
当日どんな服装が望ましいのかという説明から始まり、農家側で用意しているもの・用意していないので自分で持っていく必要があるものの説明、そして実際の作業の工程や収穫の仕方などまで懇切丁寧に説明されています。
中には具体的に動画で解説していたりするので、アルバイトをする人にとっては事前にかなりイメージできた状態で農作業に臨めます。
ところで、この「農How」のようにピンポイントで働いて欲しいお店とスキマ時間で働きたい人をマッチングするサービスは以前からありました。
「タイミー」なんかは有名ですよね。
しかし、いちいち一人ひとりにそのお店のオペレーションなどについて説明しなければならないため実は結構手間がかかるというのがネックでした。
過去に「ガイアの夜明け」で某定食屋チェーン店の店長が残業時間削減のためにタイミーを活用しようとしたものの、単発のアルバイトの人が来る度に教える必要が生じたことから逆に労働時間が増えてしまった、というエピソードが紹介されていました。
こういうサービスを活用する最大のメリットは通常時は最低限の人員のみを確保して、それを超えて忙しくなる時だけピンポイントでアルバイトをお願いすることで人件費の最適化を図るというものです。
でも、そのために教えたり説明したりする時間が発生するのでは便利なようで便利ではありません。
その点、この「農How」が画期的なのはマニュアルが完備されているので、イチイチ現場で教えたり説明したりしなくても済むという部分です。
これは農業だけでなくいろんな業界に応用できる仕組みだと思います。
別にアプリまで開発しなくてもいいと思いますが、行ってもらう作業について解説した動画を撮影し、例えばYouTubeにアップしておいて、アルバイトに来てくれる人に事前に視聴してもらうだけでも違うと思います。
今後もこの「スキマ時間に働く・働いてもらう」という働き方、つまりギグワークは確実に増えていくと思いますが、上手に活用するためにも今回のアグリトリオさんの取り組みは大いに参考になるのではないでしょうか?