12月13日放送の「坂上&指原のつぶれない店」は「立て直し企画特別版 シャッターだらけの街を立て直す」という特番でした。
この番組ではちょくちょく「お客が来なくてつぶれそうなお店を立て直す」という企画があり、以前にご紹介した京都の宮本カレーもその1つです(ちなみに今年の秋、京都に行った際に宮本カレーさんに行ってきました。ご主人に「番組観て来ました!」とお伝えしたところ「そう言ってくれるのが一番嬉しい!」と喜んでおられました)。
今回はタイトルにある通り、立て直すのはお店ではなくなんと街!
銀だこを運営する株式会社ホットランド社長・佐瀬守男さんがご自身の生まれ故郷である群馬県桐生市の立て直しを図ります。
群馬県桐生市は佐瀬社長の生まれ故郷であり、銀だこ創業の地となります。
東京に進出する37歳まで過ごした街ですが、現在は「消滅可能性都市」に指定されており、駅前商店街はシャッター通りと化しています。
そんな状況を何とかするべく桐生市長からのオファーで実現した企画だったのです。
※ちなみに「消滅可能性都市」とは「少子化や人口移動に歯止めがかからず、将来に消滅する可能性がある自治体」と定義され、全国の市区町村の半分にあたる896自治体が指定されています。北海道の市町村も多数指定されており、他人事とは言えません。
桐生市は1970年代に織物産業で大発展し、一時は若者が殺到するファッションの街の地位を確立するのですが、その後海外から安価な織物が輸入されるようになると、基幹産業が大打撃を受け、一気に衰退。そして消滅可能性都市に・・・という歴史があります。
そんな桐生市ですが、ソースかつ丼、ジャガイモ入り焼きそば、ひもかわうどん、ジャガイモで作るシウマイ、170年の伝統菓子花ぱん、焼まんじゅう、ギョーザラーメンなど実は知られざるB級グルメの宝庫です。
そこで、佐瀬社長は街を立て直すためのコンセプトとして「炭水化物の街 桐生」を打ち立てます。
そしてそのコンセプトのもと、デカ盛り料理を楽しめるイベントの企画を桐生市の飲食店経営者の皆さんに提案します。
その説明会では否定的な意見も多数あがりましたが、最終的には「やってみよう!」ということになり、途中なんやかんやありましたが、結果としてイベントは集客目標500人に対し実績900人以上と大成功を収めます。
説明会の際に佐瀬社長も話していましたが、イベントで集客することが目的なのではなく、これで「炭水化物の街」と認識してもらい、今後も継続的に人が集まる街にすることが目的となります。
なので、番組は「イベントは大成功!」で終わりましたが、これからが勝負と言えるでしょう。
さて、今回の企画で改めて感じたのはやはり大切なのは「アイデア」と「実行力」だなという点です。
現在コロナ禍で集客に苦しんでいるお店も多数あると思いますが、桐生市のお店は今までコロナ禍がなくても人が来ない状態だった訳です。
それが、こうやってアイデア一つで900人以上が集まったということは、やはりやり方次第だと言えるのではないでしょうか?
コロナのさらなる感染拡大とそれに伴うGoToトラベルの全国一時停止により、特に観光、宿泊、飲食業界の方々は非常に厳しい状況だと思いますが、だからといって「もうこれは仕方がない」「我慢するしかない」と諦めてしまっては何にも起こりません。
もちろんこんな状況ですから、佐瀬社長のように「じゃあイベントをやって集客しましょう!」という同じことをするのは難しいでしょう。
コロナ関連倒産・廃業件数がどんどん増えており、この年末年始にはさらに増えるのではないかと言われています。
もちろん傷口が深くなる前に撤退を選択するのも一つの手です。
しかし、撤退を選択せず、事業を継続するのであれば、諦めて思考停止するのではなく、考え続けることが必要です。
ぜひアンテナを立てて自社に転用できるアイデアが転がっていないか色んな情報を収集してみましょう!