回転ずし大手のくら寿司は来年10月までに札幌市内に複数の店舗を出店する計画を発表しましたが、これにより全都道府県への進出を果たすことになります。

なるほど、実はまだ北海道にはなかったんですね~。全然気づかなかった!

そんなくら寿司が12月2日に発表した2020年10月期の連結決算は、純損益が2億円の赤字で、上場以来発の赤字ということで話題になっています。

前期は37億円の黒字でしたから、大幅な下落です。

現在最強のコンテンツと言える「鬼滅の刃」のコラボグッズが当たるイベントが大人気で、国内事業の売上高は過去最高を記録したそうですが、新型コロナの影響を大きく受けたアメリカ事業の不振が大ブレーキとなった模様です。

鬼滅の刃による超追い風が吹いても赤字になってしまったわけですから、アメリカのビジネスにおける新型コロナの影響の大きさがハンパないことがよく分かります。

ただ赤字になったとは言え、何か不祥事を起こしたとか、慢心でライバルに抜かれたとかという理由ではないので、前述のように積極的な出店攻勢をかけられるというわけなんですね。

出店するのは札幌だけでなく、来年1月には東京の渋谷、新宿という都心に出店することも話題になっています。

今までは主に郊外のロードサイドに出店していたのですが、なぜここにきて都心に出店するのでしょうか?

そこにはすでにコロナ禍収束後を見据えた戦略がありました。

現在コロナ禍によるテレワークへの移行により、都心部のオフィスワーカーは減少していますが、コロナ禍収束後にはまた需要も戻るであろうという読みで敢えての都心への出店となります。

コロナ禍により飲食店の倒産・廃業が増えており、好物件が出てきているというのも要因の一つとのこと。

そう考えると来年札幌に複数の店舗を出店するというのも、今後同じ文脈で優良物件が出てくることを織り込んでの計画なのかもしれません。

残念ながらすでにコロナ禍によって倒産・廃業している飲食店がすすきのを中心に増えていますし、おそらく今後も資金繰りに行き詰まってお店を畳むケースも増えていくのではないかと予想されます。

ということは裏を返せばこれから飲食店を始めようと考えている人にとってはある意味チャンスだと言えます。

もちろんまだコロナ禍が収束したわけではないですし、いつ収束するのかも全く読めない状況です。

「今がチャンスだ!」ということでくら寿司と同じようにコロナ禍収束後を見据えて出店したものの、来年のいま時期もまた感染者が増えて営業自粛・飲み会自粛となる可能性も十分にあります。

くら寿司は仮に読みが外れて都心に出店したお店が大赤字になったとしても他の店舗の売上でカバーできますし、撤退資金もあるのでダメージを最小限に抑えることもできますが、個人事業のお店でコケたらビジネスだけでなく生活も吹っ飛んでしまいます。

そういう難しい部分もありますが、くら寿司の出店攻勢が吉と出るか凶と出るか見守っていきたいと思います。

とりあえず札幌出店時には一度行ってみたいと思います。