よくビジネスを行う上で「ミッションは大事だ」という話を聞きます。

では起業をする際に絶対にミッションを持っていないといけないのでしょうか?

これはあくまでも私の持論となりますが、

「無いよりはあった方がいいけど、絶対に明確なミッションを持っていないといけないということはない」

と考えています。

ミッションは「使命」であり、「企業や組織が果たしたい、または果たすべき使命」となります。

「自分がビジネスを行うことで、商品やサービスを通じて社会にこうやって貢献したい!その結果、こんな社会にしたい!」

そんな素晴らしい志を胸に起業できれば最高です。

でも中には、そういうことは脇に置いて、

「とにかく貧乏な状態を脱したい!一発当ててお金持ちになりたい!」

「最近タピオカが流行っているから自分もお店やって稼いでやるぜ!」

みたいな超フォーミーな発想で起業する人もいるかと思います。

それっていけないことでしょうか?

先程の私の考えに沿うと

「別にそういう動機で起業してもいいんじゃない」

という話になります。

実際、ミッションなんて全く持たずに起業する人も結構な割合でいるでしょうし、むしろそれが多数派なのではないかと思います。

で、才覚があればミッションがなくても案外ビジネスを成長させることもできたりします。

むしろ明確なビジョンを掲げて起業しても、才覚がなかったり戦略やマーケティングのことに疎く、情熱だけで動くような人はかなり苦労すると思いますし、ビジネスを軌道に乗せられずに廃業・倒産という悲しい結末になってしまうかもしれません。

ではミッションなんて別にいらないのでしょうか?

というとそんなことはありません。

ビジネスには

「ミッションがなくても案外上手くいくステージ」

「ミッションがないと上手くいかないステージ」

があります。

ミッションが必要になるステージとは

「社員を雇ってビジネスの規模を大きくしていくタイミング」

となります。

自分一人(または家族経営)でビジネスをしているのであれば、真っ当な商品・サービスを提供していれば素晴らしいミッションを持っていなくてもちゃんと売上をあげてビジネスを回していくことが可能です。

しかし、自分だけでは手が回らず社員を雇うタイミングでもまだミッションが全く無いと雲行きが怪しくなってしまいます。

例えば社員を雇うということはかなり忙しくなっていることが想定されますが、その忙しいタイミングでジョインする社員にもそれなりに負荷がかかります。

場合によっては残業をお願いすることもあるでしょう。

その時にミッションがあれば

「なぜ、こうやって忙しい思いをしてでも仕事をするのか?」

を社員に説明することができます。

このタイミングでミッションがないと

「なぜ頑張って仕事するのか=社長がお金持ちになるため」

ということになってしまいます。

もちろん「俺が金持ちになるために、お前は頑張れ!」と言っちゃう人はいないでしょうが、案外普段の言動からそういうことは伝わります。

そうすると、

「こんなところで働き続けるのは無理!」

と言って辞めてしまったり、辞めなかったとしても

「どうやって効率的にサボるか」

と考えて仕事の手を抜いたり、お客さんにとってマイナスの仕事をするようになってしまうおそれがあります。

最近効率化について色々と語っていますが、ここでの効率化というのは「お客様不在・完全自己都合の効率化」というあまりよろしくないものを意味します。

そうするとクレームが増えたり、悪い口コミが広まったりしてビジネスの成長は止まってしまいます。

ということで、「ミッションがない(又は明確でない)」というのは、ある程度のところまではビジネスが成長するけど頭打ちになってしまう原因の一つとして挙げることができるのではないでしょうか。

案外ビジネスを始めるうえで、

「なにくそ!」

「絶対に金持ちになってやる!」

みたいなエネルギーは大事で、そういうエネルギーは強い推進力を生みます。

しかし、ある程度の段階で、今度はそれをミッションに昇華できないとさらなる成長は見込めません。

まとめますと、最初から絶対にミッションを明確にしないとならない、と考えなくてもOK。なんなら私利私欲100%で起業したってOK。

でも、一人ビジネスから次のステージに行く時までにはミッションを明確にしておく必要がありますよ、というお話しとなります。

もちろん、最初から明確なミッションがあり、ビジネスも順調に拡大できるのなら言うこと無しです。

あなたには明確なミッションがありますか?