前回の牛角からの「肉繋がり」というわけでもないのですが(笑)、今回はいきなり!ステーキの大量閉店について取り上げたいと思います。
いきなり!ステーキは去る1月13日に26店舗を一気に閉店としました。
登場時に大きな注目を浴びて、一気に店舗数を増やし、さらには海外進出を果たすなど、急成長を遂げていたいきなり!ステーキですが、昨年辺りから業績悪化が報じられるようになり、ついに今回全国の489店舗の約5%にあたる26店舗を閉店することとなりました。
運営会社であるペッパーフードサービスの一瀬社長は閉店理由について「店舗が近いことによって客の奪い合いになってしまっている」と説明していましたが、理由はそれだけではありません。
理由の一つは競合というか、かなり似たコンセプトのお店がどんどん出現したこと。
ブレイクするビジネスモデルが現れればそのフォロワーが次々と市場に現れるというのはどの業界でも見かける光景ですが、この「お手頃価格でステーキを楽しむことができる」というコンセプトを真似したお店が近くにあると「まぁ別にいきなり!ステーキじゃなくてもいいよね」ということになってしまい、客離れが進んだのだと推察されます。
また、一瀬社長はもう一つの理由として「急拡大したためスタッフ教育が追い付かず、クレームが増えた」ということも挙げていました。
これも業界を問わない「あるある話」と言えますが、急拡大する企業は必ずといっていいほどその拡大のスピードに社員教育や現場のオペレーションの整備が追い付かず混乱が生じてしまいます。
ましてや近年飲食業の人手不足は深刻ですから、採用・教育は全く追い付いていなかったのだろうと推察されます。
競合店が沢山ある中で、せっかく来店してくれたのに接客や品質がダメダメだったら二度と来てくれないでしょうし、下手をすると「あのお店は酷いから行かない方がいいよ」というマイナスの口コミが発生する恐れもあります。
一瀬社長はペッパーランチで成功を収めるなどベテランの経営者のはずなのに、今回の急拡大というのは戦略的にあまり良い選択ではなかったような気がします。
と、別に飲食店を経営したことがある訳でもない私が別に偉そうに批評したいわけではなく、やはり戦略と言えば高田先生です。
今回のいきなり!ステーキの業績悪化の原因は
1.模倣されやすいビジネスモデルであった
2.現場の教育やオペレーションを甘く見てしまった上での急拡大志向
の2点に集約されると思われます。
実際高田先生のグループコンサルで、具体的なビジネスプランの相談がされた際にも、この部分については必ず指摘されます。
特に入り口となる1の部分、すなわち模倣されやすいかどうかについては常にUPSという観点でチェックが入ります。
自社じゃないとできないこと、自社を選んでもらう理由。
そこが明確に説明できないようであれば「そのビジネスはやらない方がいいんじゃないですか?」というフィードバックとなります。
「このビジネスモデルはいける!」といきなり始めるのではなく、専門家からの客観的なフィードバックを受けることによって、今回のいきなり!ステーキのような事態になることは避けられるのではないでしょうか?
ということで、そんな戦略やマーケティングに関するいろはを学べ、かつ、具体的なフィードバックも受けることができる「戦略マーケティング・ブートキャンプ」は1月29日開催です。
≪戦略マーケティング・ブートキャンプ≫
〇日時:2020年1月29日(水)13時~18時
〇会場:札幌市中央区南1条西7丁目12番地 都市ビル7階 寄りそうコンサルタントグループ
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