勢溜の大鳥居をくぐって、いよいよ出雲大社の境内へ。

と、鳥居をくぐってすぐ右手に銅像が立っています。

この銅像は千家尊福(せんげたかとみ)公ですが、ご存知でしょうか?

出雲大社の宮司を務める出雲国造家に生まれ、80代の出雲国造となると共に神道大社派を創始し、教派神道たる出雲大社教の礎を築いた方となります。

※「教派神道とは」を解説していると旅行記が全く先に進まないので今回は割愛しますが、いずれどこかのタイミングで触れたいと思います。

また、昔のお正月の風物詩であった新春かくし芸大会のテーマソングとしてお馴染みの「一月一日」の作詞家でもあります。

私は「おぉ!千家尊福だ!」と盛り上がっていましたが、ほとんどの方はスルー。皆さんはぜひチェックしてくださいね。

参道に戻りますと、全国でも珍しい「下り参道」となっています。

なぜ上りではなく下りなのでしょうか?

下っていくと右手に見えるのが「祓社(はらえのやしろ)」です。

こちら、小さなお社なのでスルーしている人も多いですが、こちらは必ずお参りしましょう。

こちらには大祓詞の中に出てくる罪・穢れを祓ってくださる祓戸神四柱が祀られています。

こちらをお参りすることで罪・穢れが祓われたクリアな状態で御本殿を参拝することができます。スルーせずにしっかりとお参りしましょう。

その後、祓橋を渡り、中の鳥居をくぐると松並木の参道が始まります。

この両サイドには「御慈愛の御神像」と「ムスビの御神像」があります。

「御慈愛の御神像」は因幡の白兎のくだりにおける大きな袋を背負った大国主大神が傷ついたウサギに手を差し伸べているシーンを表現したものとなります。

「ムスビの御神像」は大国主大神の国造りの途中のエピソードを表現したものとなります。

このエピソードを書き出すとまた話が長くなるので割愛しますが、大国主大神が「今この国を治めているのは私一人だけである。私と共に天下を治めるべき者はいるだろうか」とおっしゃった際に、海を照らしながら浮かんできたのが「幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)」です。その大国主大神と幸魂・奇魂との遭遇の場面を表しています。

さらに参道を進むといよいよ拝殿となります。

立派な注連縄が見えますが、テレビや雑誌に出てくる巨大注連縄はこちらではなく神楽殿のものになりますのでご注意ください。

拝殿の北側にはついに御本殿が。

写真に写っているのは御本殿を取り囲む瑞垣に立つ八足門(やつあしもん)となりますが、通常の参拝はここまでとなります。

しかし、特別ツアーでは八足門の中にも入ることができますので、ぜひツアーに申し込みをしましょう。もちろん私はツアーに参加して御本殿にかなり近いところまで行くことができました。

ちなみに門の前には巨大柱の発掘跡を示す石畳がありますので、こちらも要チェックです。

なお、一般的な神社の参拝方法は「二礼二拍手一礼」ですが、出雲大社の場合は「二礼四拍手一礼」となりますのでお気を付けください。

八足門前での参拝が終わりましたら、御本殿を反時計回りにぐるりと一周しましょう。

まず見えてくるのが東十九社(ひがしじゅうくしゃ)です。

こちらは神在月に全国から集まった神々の宿舎となる社となります。

さらに進み、御本殿の北側(裏側)にあるのがスサノオが祀られているのが素鵞社(そがのやしろ)です。

こちらであの稲佐の浜で採取した砂の出番となります。

社殿の下に砂が入った箱があるのですが、この砂が厄除けの効果抜群ということで、昔から地元の方はここの砂を持ち帰って厄除けのために家の庭に撒いているのだとか。

といってみんなが砂を持って帰ると砂がなくなってしまいます。

そこで、ここから砂を持ち帰るためには稲佐の浜で採取した砂で補充しなければなりません。

誰かが見張っているわけではないので稲佐の浜の砂を忘れても持ち帰ることはできますが、お天道様が見ていますからね。。。

なお、こちらでいただいた砂ですが、自宅の庭に撒くのもいいのですが、肌身離さず持っていたいという方におススメなのが神門通りにあるお店「めのや」さんで御守り袋を購入し、その中に入れるというもの。

お店で御守り袋を買う際に店員さんが「砂を入れますか?」と聞いてくれますので「はい」と答えると、袋に入るサイズの砂を入れるための透明な袋もつけてくれますよ。

また、御本殿を裏側から見ることができるスポットともなっています。

さらに進み、御本殿の西側に来ると賽銭箱がありお参りができるようになっています。

これには理由があり、御本殿内の神様は西向きに鎮座しているため、ここからだと正面からお参りできるからです。

ここもスルーする人が多いですが、ぜひともお参りしておきましょう。

さらに西十九社もお参りすると右手に神楽殿へと続く通路が現れます。

そう、こちらが例の巨大注連縄となります。

長さ約13.5メートル、重さ約4.4トン、胴囲約8メートルもある日本最大級の大きさとなります。

また、神楽殿の前には日本国旗が掲揚されていますが、この国旗掲揚塔の高さはなんと47メートル、国旗の大きさはタタミ75畳分なんだとか。

いや、圧倒的な存在感です。

ということで、見どころ満載の出雲大社でした。全てを紹介しきれませんでしたが、次回は出雲大社以外の神社巡りについてお伝えしていきたいと思います。

※出雲大社は旅行中、何度も参拝したので、写真も朝、昼、夜とごちゃ混ぜになっています。