9月26日放送のWBSで、店舗では見るだけ・触るだけという「売らない店」が人気を集めているという特集が組まれていました。
ネットで注文を受けるオーダースーツメーカーのFABRIC TOKYOは店舗では生地の確認や採寸のみを行い、その後ネットで商品を購入してもらうという販売スタイルです。
もともとはオンライン販売のみでしたが2015年に採寸のみを行う「売らない店」をオープン。
このリアルな店舗で一度採寸をすれば、そのサイズをサイト上に登録することで、次回からはスマホで簡単に注文することが可能となります(体型が変わらなければですが)。
店舗は生地の紹介や採寸などに特化しており、その場で購入のフローが全くないことから、店員さんにも販売ノルマが一切なく、よって採寸してもらったからといって絶対に買わなくてはならないということもありません。
そんなスタイルにも関わらず、「売ろうとしないことで結果的に売上げが伸びている」そうで、売上は2年連続で3倍の伸びを記録しているんだとか。
さらにはスーツ以外の服についても同じように採寸のみを行う店舗をオープンさせ、現在対応しているのはジーンズのみにも関わらず、リピート率が従来の小売りの会社に比べて1.5倍から2倍になっているということで、かなりのニーズがあることがうかがえます。
そんなFABRIC TOKYOの店舗が入るのは新宿マルイで、現在売らない店の誘致に力を入れています。
なぜ今「売らない店」なのか?
利用者からは「販売されるプレッシャーがなくじっくり体験できていい」という声があがっているそうです。
これはもう大納得!
私も過去、お店でまだ商品を吟味している時点でめちゃくちゃ店員さんから声掛けされるのは勘弁して欲しいという記事を書きましたが、結局は「売ろうとしない方が結果的に売上げが伸びる」ということなんじゃないでしょうか。
今後全てのお店が「売らない店」に転換していくということにはならないでしょうが、従来型のお店での店員さん、販売員さんの在り方というものが問われていく時代になると思われます。
「売る店」と「売らない店」が隣接していて、片や「売る店」はガラガラ、一方の「売らない店」は賑わっていて、でも実際に購入するのはネットで。
そんな未来が待っているかもしれません。
ちなみに売らない店の誘致に力を入れているマルイも従来の百貨店のビジネスモデルはもうもたなくなっているという危機感からそのような取り組みをしているとのことですが、それはそれで時代の変化に対応する良い取り組みではないでしょうか?