先日平取町に行ってきました。
札幌から高速道路を利用して約2時間。
こう言っては平取町にお住まいの方に大変失礼ではありますが、特に見どころがあるわけではない小さな町に鎮座する義経神社が今めちゃくちゃ熱いんです。
大丈夫とは思いますが、義経とはもちろんあの源義経です。
鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝の異母弟であり、平家を滅ぼす最大の功労者であったにも関わらず朝敵とされ、岩手県平泉町で自刃したという悲劇のヒーローです。
しかし実は義経は生きており、蝦夷地に渡ったというのが北行伝説となります。
さらには大陸に渡り、モンゴルの英雄チンギスハーンになったというトンデモ説もあったりしますが、それはさておき、三陸経由で竜飛岬から海を渡り、北海道西岸を経て平取にやってきて、武芸や農耕、機織りなどを伝えて英雄として慕われていたという伝説が残っています。
そんなこともあり、寛政10年(1798年)、北方調査のため蝦夷地に来た近藤重蔵が、アイヌが崇敬していたオキクルミという英雄を源義経と同一視し、仏師に作らせた源義経の御神像をアイヌに与えて祀らせたことに由来して創建されたのが義経神社となります。
で、今回なぜ私がこのタイミングで義経神社を参拝したかというと、この220年前に作られた源義経の御神像が修復を経て、現在一般公開されているからなのです。
220年前に作られたこの御神像は何度も大雨などの自然災害により川に流されてしまったため、かなり傷んでいました。
修復しようにも元の姿が分からなければ修復しようがありません。
しかし、偶然にもこの御神像を描いた絵が近年見つかり、その絵を元に修復作業が施され、そして今回の一般公開に至ったという次第です。
実際に義経神社を参拝し、手続きをすると御神像を超至近距離で拝観することができます。
当然触れるのはNGですが、写真撮影は全然OKです。
さらには神職の方が先程の御神像が近藤重蔵によって寄進された経緯や修復の経緯などについてかなり詳しく解説してくれます。
※ちなみに恥ずかしながら近藤重蔵という名前はこのときに初めて知りましたが、北方調査後に蝦夷地の重要性を幕府に説き札幌発展の先鞭を開いた北海道を語る上でのキーパーソンの一人となります。
この一般公開は9月1日までとなります。あと1週間ちょっと。せっかくなのでこの機会にぜひとも拝観いただきたいと思います。
私が行った際にはなんと神奈川から車でお越しの御夫婦もいらっしゃいました(そして義経についてめちゃくちゃ詳しかった)。
それぐらい全国レベルで注目されている義経神社、ぜひ9月1日までにご参拝くださいね。
鳥居は大きくかなり立派です
由緒書き。近藤重蔵の名が
参道の両脇には源氏の白旗を模したのぼり旗が
拝殿です
こちらが義経公の御神像です
様々角度からお楽しみください
座っている石にも近藤重蔵の名が
修復前はかなり傷んでいたのが分かります