7月1日放送の『芸人先生』はスピードワゴンを講師に迎えての「好きなようにやろうよ」講座でした。
生徒は前回に引き続き若い女性に人気の某ファッションブランドの社員さん。
冒頭どんな悩みがあるのか質問すると
「キラキラしたイメージを持っている人が多いけど違った側面もあることをもっと知って欲しい」
「若い女性向けのアイテムだけでなくもっと幅広い年齢に合ったアイテムも展開していることを知って欲しい」
といった声が。
確かにそのブランドのことは名前ぐらいしか知らない私でも、「若い女性に人気のあるブランド」というイメージを持っています。
それぐらいイメージが明確なのはそれはそれでいいのではないかとも思うのですが、ともかくもそんな社員さん達に向けたスピードワゴン・小沢さんのメッセージが「好きなようにやろうよ」というもの。
ここで語った過去の経験談が興味深いものでした。
何度もネタをやっていると「こうやればウケる」という型のようなものが見えてくる。
でも「こうやればウケるかな」と考えたネタは案外ウケない。
楽屋でネタを書いているとき先輩芸人に「そのネタきっと面白くないよ。だって書いているお前の顔が真面目だもん。面白いネタなら書きながらニヤニヤ笑っちゃうはずだよ」と言われてハッと気付いた。
ウケるネタ=自分がウケる、好きなネタだ。
そこから得た教訓は「お客さんに合わせにいくとウケない。自分が好きなネタをやれば、万人には受けないけどハマる人にはハマる」というものです。
あの甘いセリフを言うというスタイル自体、子供の頃に読んでいた漫画『コブラ』の世界観が好きで、その好きな世界観をお笑いの世界に取り入れているんだそうです。
※私も昔『コブラ』を読んでいました。左腕にサイコガンをつけた一匹狼の宇宙海賊・コブラ。面白いですよ。
これはマーケティングの話しで言うと「プロダクトアウト」になるかと思います。
反対概念として市場リサーチを行い世の中のニーズを満たしてあげる商品・サービスを開発し市場に投入する「マーケットイン」がありますが、これはどちらが正解というものではなく、「好きなようにやろうよ」という精神でプロダクトアウトをすることによって、案外「それ、自分も大好き!」という人が結構出てきて、思わぬ大ヒットが生まれるかもしれません。
和田裕美さんは「価値共創時代」と表現していましたが、好きなものが共通する者同士で商品開発を行うという手法もよく見かけるようになってきました。
最初は「自分はこれが好きだ!」とプロダクトアウトをするものの、細かい部分についてはそれに賛同する人の意見を募って改良改善していくというマーケットイン的な要素との掛け合わせというのも、これからの時代当たり前になっていくかもしれません。
ビジネスになるかどうかは一旦脇に置いて、「私はこれが大好きなんだ!」というのを一度大々的に発信してみてはどうでしょうか?
そこから何か面白いことが始まるかもしれませんよ。