先日のWBSでお店とアルバイトをマッチングさせる「ジョブクイッカー」というアプリが紹介されていました。

これは主に飲食店やコンビニなど採用難で人手が足りないオーナーと、ちょっとした隙間時間にすぐ決めてすぐ働きたい人をマッチングするもので、例えば「3月12日の17時から23時まで」のようにかなりピンポイントで設定することが可能なものとなります。

番組では実際にこのアプリを使っている居酒屋の事例を紹介していました。

時間になるとエントリーした学生さんがお店にやってきます。

「今日はよろしくお願いします」ということでやってもらうやってもらう仕事の説明をします。

登録している人の多くは飲食店経験者なので勤務時間は初めてのお店でも手際よく働いてくれます。

毎回仕事の説明をしないといけないのは多少面倒ですが、経験者が多いため即戦力というのが大きなメリットです。

特に今飲食店では人材の確保が厳しい状況ということもあり、この1年でこのアプリの利用企業は4倍に増えているそうです。

また、働く人にとっても1ヶ月前からシフトを組んで…という拘束感がなく、自分の好きな時間に好きな場所で働けるというのは大きなメリットと言えます。

ある意味「シェアリングエコノミー」と言えなくもないですね。

お店は人手を確保できるし、働き手は自分の好きなように働けるのでWin-Winの関係と言えます。

・・・が、これって本当に望ましい姿なのでしょうか?

この働き方は言うなれば「日雇い」。当然そのお店に対する愛着とかロイヤリティはあまり関係ありません。もちろんそのお店が掲げるミッションに共感して働くということもほぼ無いでしょう。

飲食店経験者だけにそんなにレベルの低い仕事はしないと思いますが、その逆にお客さんに感動を与えるような仕事も期待できません。

仮に日雇いなのにお客さんを感動させられるようなレベルの接客ができる人であれば、もはやお客さんはそのお店ではなくその人に付くことになるでしょう。

我が国の飲食店において「不味くてひどい」ということはそうそう無く、ある程度のクオリティは担保されています。

となると、そのお店に行こう!足繁く通おう!と思うかどうかは結局は人にかかってくると思います(よく髙田先生と飲みに行くとそういう話になります)。

もちろん飲食店、しかも特にこのアプリの守備範囲である東京23区での採用は非常に厳しい状況ということは理解しております。

しかしそれでも安易にこのアプリに頼り、日雇いのアルバイトに頼ってしまうと、目の前のお客さんをさばくことができても、徐々に魅力の無いお店になり、お客さんが減ってしまうのではないかと危惧しています。

ではどうやってアプリに頼らず、しっかりと人材を確保するのか?

それはやはり「このお店・会社で働きたい!」と思ってもらえるような魅力あるお店・会社作りをすることではないでしょうか?

※今回も念のために追記しますが、別に「ジョブクイッカー」やそのアプリを使っているお店を批判したり否定することを意図しているわけではありませんので悪しからず。