先日、映画『エリック・クラプトン 12小節の人生』を観に行きました。
私は最近でこそほとんど聴かないのですが、20代~30代半ばぐらいまではめちゃくちゃクラプトンを聴いていました。
そのきっかけとなったのが1996年に大ヒットした「Change the World」。
ちょうどこの曲が主題歌となった映画「フェノミナン」を観てこの曲の存在を知り、この曲を歌っているクラプトンの存在を知り、さらにそのクラプトンが昔から知っているカッコいい曲だけど誰が歌っているのか分からなかった「Layla(いとしのレイラ)」を作った人だということが繋がり、そこからハマった次第です。
札幌ドームのライブも2回行きましたし、スティーブ・ウィンウッドと共演した北海きたえーるのライブにも行きました。
そんなクラプトンを題材とした映画、観に行かないわけにはいきません。
さて、ミュージシャンを題材とした映画といえばQUEENを扱った『ボヘミアン・ラプソディ』が絶賛公開中ですが、両者の内容は大きく異なります。
『ボヘミアン・ラプソディ』はあくまでも役者さんが演じてQUEENの曲をフューチャーし、応援上映が盛り上がるなど、その時代を思い返し、一緒に歌いその物語に入り込むタイプと言えるでしょう。
それに対し『エリック・クラプトン』は実際の映像や写真、インタビュー音源などによって構成される「ドキュメンタリー映画」となります(なので登場人物は全員本人)。
そんなに大々的に曲がフューチャーされることもありませんし、どちらかというと淡々と進行するという印象です。
なので、『ボヘミアン・ラプソディ』のノリを期待して観ると痛い目に会いますので、お気を付けください。
とは言え、エリック・クラプトンとフレディ・マーキュリーの生き方には相通じるものがあります。
フレディ・マーキュリーは若くして成功を収めますが、ゲイであることを悩み、孤独に苦しみ、バンドメンバーに暴言を吐いて一度はバンドから離れてしまいます。
しかし、最終的にはバンドに戻り「ライブ・エイド」で伝説を作ります。
片やエリック・クラプトンも若くして成功を収めますが、親友であるジョージ・ハリスンの妻に横恋慕し、ドラック中毒になり、そこから抜け出したと思えば今度はアルコール中毒になり、ライブをやっても30分で「もう終わりだ!」と帰っちゃうなどやりたい放題。
正直「しくじり先生」に出演できるぐらいの”やらかし人生”で、クラプトンの現在を知っていても「これ、いつか死ぬんじゃない?」と思っちゃうレベルです。
それでもそこから抜け出し、さらに訪れる悲劇をも乗り越え、アルバム「アンプラグド」で大復活し、さらに「Change the World」の大ヒットへと繋がっていきます。
しかもこちらはドキュメンタリー映画なので、そのときどきにクラプトンがどんなことを考えていたのかを本人が赤裸々に語っている点が非常に興味深いです。
ということで、いずれの作品も「大スターの抱えていた孤独や闇」を描いているのですが、『ボヘミアン・ラプソディ』は誰でも楽しめる娯楽映画であるのに対して、『エリック・クラプトン』は”ツウ向け”の映画と言えるでしょう。私はめっちゃ楽しみましたけどね。