隠れファン(?)も多い神社ネタですが、今回は「手水の使い方」です。
鳥居をくぐり神域に入ると、参道脇に手水舎(てみずしゃ)がありますが、さてみなさん正しい手水の使い方をご存知でしょうか?
※手水舎は他に「ちょうずや」「ちょうずしゃ」「てみずや」とも読みます
先日北海道神宮に初詣に行きましたが、よく見ると正しい手水の使い方をしている人は少なかったです。残念なことです。
正しくは
1.右手で柄杓を取り、清水を汲んで左手にかけ、左手を清める
2.柄杓を左手に持ち替えて、同じように右手を清める
3.再び柄杓を右手に持ち、左の手のひらに水を受けて口をすすぐ(柄杓に直接口をつけない)
4.口をすすぎ終えたら、もう一度、左手を水で流す
となります(利き手に関係なく「左手→右手→左手」の順番)。
最後に残った水で柄杓の柄を洗い清め、元の位置に戻しますが、この部分は作法というよりはマナーでしょうね。
あと、「水を掬うのは1回だけで、途中で水がなくならないようにする必要がある」と言われていますが、これはどういう由縁によるものなのかは分かりませんでした。知っている方は教えてください。
また、ネットで調べると「手が濡れたからといってハンカチで手を拭いたらダメ」と言っている人もいますが、別に拭いていいんじゃないでしょうかね?濡れたままで参拝する方が周りに迷惑をかけると思いますし。私はハンカチで拭いています。
ところで、そもそも神社を参拝する際にはなぜわざわざこういうことをするのでしょうか?
この「手水を使う」という行為は禊を簡略化したものとなります。
『古事記』にはイザナギノミコトが死者の国である黄泉の国から帰って来られたときに、身につけているものを全て脱ぎ、水に浸かって禊祓(みそぎはらえ)をしたことが書かれています(このときに生まれた色々な神様の1柱が天照大御神)。
それで穢れを落としたわけです。これが、禊の起源となります。
古い神社の多くは清流の近くにあり、この清流が参拝する人が禊をして身を清める場所でもあったのですが、一説によると鎌倉時代以降にそれを簡略化して手水鉢でのものに変わっていったと言われています。
なので、手水舎では別に手を洗っているわけではなく、これから聖域に入るにあたって穢れを落とすという大事な儀式となります。
このように大事な意味のある行為ですから、しっかりと正しい作法で行いたいものです。
ちなみに伊勢神宮参拝の前には二見興玉神社へ立ち寄り禊をしてから伊勢に行くのが古くからの習慣となっているのですが、今でも実際に海に入って禊をすることができます。
体験したことはないけど寒そう。。。