コロナ禍になって成長したジャンルの一つが「動画配信サービス」です。
いわゆる「巣ごもり消費」の一環で「自宅にいながらにして映画やドラマを楽しむことができる」ということで多くの動画配信サービスが会員数を増やしました。
日本におけるその筆頭はNetflixで、実際にコロナ禍を機会に入会した人も多いのではないでしょうか?
実際アジアにおける会員数は右肩上がりで順調に推移してきましたが、今年に入り状況は一変。
1~3月には会員数が約20万人減少し、4月~6月には100万人近く減少する形となりました。
その一方で映画館の興行収入は好調で今年上半期の売上は前年比で42%も増加したそうです。
なぜそのような変化が生じたのかを8月11日放送のWBSで解説していました。
キーワードは「リアルの逆襲」です。
今年最大のヒット作と言えば『トップガン マーヴェリック』ですが、洋画としては3年振りに興行収入が100億円を超える大ヒットとなりました。
この売上に貢献したのが、迫力のある映像を楽しめるIMAX(アイマックス)です。
私も公開されてすぐに観に行きましたが、これはぜひとも迫力のある映像で観たいと思いIMAXを選択しました。
IMAXだと料金が600円増えるのですが、それだけ払う価値のある体験ができました。
私は昔から映画を視るのが大好きで年間100本以上観ているのですが、映画館で観るものもあればアマゾンプライムビデオなどで観るものもあります。
特にアマゾンプライムビデオはNetflixと同じ定額見放題サービスでいつでもどこでも観ることができるという点は非常に便利です。
短いものであれば飛行機に乗る時に、事前にダウンロードしておけばオフラインでも観ることができるので、スマホで往復1本ずつ観るなんてこともやっています。
とは言え、スマホだと小さい画面になるのでアクションものといった迫力を楽しむものを観るには適していません。
また、飛行機の中でも自宅でも、完全に映画に没頭できる環境を整えるのはなかなか難しく雑音が入って気が散ってしまうことも多々あります。
その点、当たり前ですが映画館は目の前の作品に集中するための環境が整えられています。
昔は映画を観ようと思ったら映画館で観るしかなかったのが、レンタルビデオの登場により自宅でも気軽に観れるようになり、さらに動画配信サービスの登場によりレンタルビデオよりもさらに気軽に観れるようになりました。
それにより一時的に「どうせすぐ気軽に観れるようになるからわざわざ映画館で観なくてもいいや」と映画館離れが進みましたが、今回取り上げたNetflixの会員減少&映画館の興行収入増加はその揺り戻し現象と言えます。
テクノロジーの進化により、多くのビジネスでオンラインが競合相手になり、場合によっては売上を落としたことかと思います。
さらにコロナ禍によってその流れが加速したことでしょう。
ただウィズコロナも3年近くなり、「やっぱりリアルが恋しい」という動きが出てきました(よく取り上げる出社かテレワークかというのもこの流れのものと言えます)。
オンラインサービスが無くなるということはなく、また便利なのであれば無くす必要もないとは思いますが、その中でもリアルだからこそ提供できる価値ということを改めて考えてみてはいかがでしょうか?
ここに売上げアップのヒントがあるのではないかと思います。