会社を辞めて起業した場合、失業手当を受給する資格を4年間持ち続けられる特例制度が新設される予定です。
会社員が会社を辞めた場合、要件を満たしていれば失業手当を受給することができますが、その受給期間は前職での雇用保険の加入時期や年齢などに応じて90~330日間となっています。
失業手当を受給しながら再就職先を探すというのが一般的ですが、ただ、再就職せずにそのまま起業するという選択肢も当然あります。
そして、起業した場合にも、受給できる資格を1年間は持ち続けることができます。
ただ当然ながら起業して収入があるうちは受給できる資格は有していても実際に失業手当を受給することはできません。
受給できるのは廃業し、失業状態となってからとなりますが、よほど起業してすぐに廃業するということでもない限り、受給できる期間が過ぎてしまい、結局は失業手当を受給できないケースが多く、制度としてあまり意味のあるものとは言えない状況でした。
今回制度を拡充することでもっと起業しやすい環境を整備し、経済の活性化を図るということです。
私は個人的には起業する際のセーフティネットとしてこの制度自体はあって良いと思います。
再就職したのがうまくいかなくて失業するのも起業したのがうまくいかなくて失業するのも同じと捉えて、会社員時代に納めていた雇用保険料を財源として失業手当を受給することは別に問題ないのではないでしょうか?
起業がうまくいかなかったとしても、ある程度の失業手当が受給できるということであれば多少は挑戦しやすくなるかと思います。
とは言え、これによってスタートアップを増やし、経済の活性化を図るという観点で考えるとどうなんでしょう。
失業手当を受給できる期間が伸びることと起業してビジネスを軌道に乗せられることには何の因果関係もありません。
起業しやすくするというのであれば、もっと起業するために、または起業した後に必要となる知識について学べる環境を整備するべきではないでしょうか。
この辺の話は何度もしていますが、お金のこと、税金のこと、人を雇うのであれば労務のこと、そして何よりも売上を上げる方法。
こういったこと、特に売上を上げる方法を全く知らないままに起業して、全然売上が上がらずに「こんなはずじゃなかった!」と廃業する人がなんと多いことか。
なので、本当に起業しやすい環境を整備する気があるのであれば、私が高田先生とタッグを組んで開催している戦略マーケティング・ブートキャンプでお伝えしているような内容を学べる仕組みを作るのが先決だと思うのですが、いかがでしょう?
例えば受給できる資格のある失業手当相当分を原資として、その何割かを上限に、無料でそのようなセミナーを受けられるようにするとか。
その方が起業が成功する確率が飛躍的にアップするので、よっぽど効果的なお金の使い方だと思うんですけどね。
とにかく今後は今まで以上に起業する人が増えると思いますが、起業する前に戦略マーケティングのことは絶対に学んでおいた方がいいですよ。