9月末に緊急事態宣言が解除されてしばらく経ちました。

今のところは懸念されたリバウンドは発生しておらず、このまま収束することを願うばかりです。

さて、コロナ禍によってテレワークなど在宅勤務が広まりましたが、宣言の解除を受けて今後はどのように運用されていくのでしょうか?

産経新聞の10月22日の記事によると、企業によって対応がそれぞれ異なるようです。

これはあくまでもコロナ禍によってテレワークを導入した企業という前提となりますが、9月末までは「原則在宅勤務」とか「出社率は3割以下」というように運用していたのを、特に出社率にこだわらず、出社でも在宅でもOKという運用に変更した企業が多いようです。

◯関西電力~発電所の現場担当者などを除き「出社率の7割削減」としていた目標から「7割」の数値を外し、「在宅勤務の積極的な活用を推進する」に変更

◯明治安田生命保険~3割に抑制していた出社率を7割まで緩和。

◯クボタ~「原則在宅勤務」としていたが「出社率5割以下」に変更。今後は出勤率の制限を設けず、社員の裁量で在宅勤務を活用できるように検討。

ということで、宣言が解除されたからといって出社オンリーに戻すのではなく、出社と在宅勤務のハイブリッドという運用が一般的になりそうです。

人材エージェント会社「LASSIC」の調査によると今後も何らかの形で在宅勤務を希望する人は9割以上だったということで、やはりコロナ禍を機に一気に普及した在宅勤務は今後も支持されていくものと思われます。

その一方で内閣官房が2月に発表した資料によると「職場勤務よりも在宅勤務の方が生産性が低い」と回答したのは労働者が82%、企業が92.3%にも上るそうです。

これは「対面での素早い情報交換ができない」「パソコン、通信回線などの設備が劣る」「法令・社内ルールで自宅ではできない仕事がある」という理由によるものとなります。

やはりコミュニケーションの部分はオンラインツールだけではカバーしきれないという感じなのでしょうか。

実際、今まで職場主催の会食や懇親会などを一律禁止していた企業も、宣言解除により制限を緩和させている傾向にあり、「働き方としては在宅勤務でOKだけど、リアルなコミュニケーションを取るための飲み会もOKしていくからそういうところで適度にコミュニケーションを取るようにしてね」という流れにあると言えます。

何度も言ってきたことですが、コロナに関係なく、多様な働き方としてテレワークというのは今後も積極的に活用するべきでしょう。

ただ、「出社オンリー」とか「在宅勤務オンリー」という極端な運用ではなく、選択制だったり、新人の場合は先輩に色々と聞きたいこともあると思うので出社割合を高めるとか、台風が来ると分かっていたら出社させずに全員在宅勤務に切り替えるとか、柔軟な運用ができるのが望ましいですね。

いずれにしても生産性を担保しつつ、通勤ラッシュなどのストレスから解放され、雇用側も社員もお互いに気持ちよく仕事ができる環境を整備する会社が今後選ばれる会社になることは間違いありません。