私は神社が大好きなのですが、今回はそんな神社とマーケティングの話をしてみたいと思います。
札幌駅から歩いて15分程度、地下鉄の最寄り駅で言えば東豊線の北13条東駅からすぐのところに札幌諏訪神社が鎮座しています。
こちらは明治に入り長野から移住してきた方々が地元の一の宮・諏訪大社から御分霊を勧請して建立されたお宮となります。
本社である諏訪大社の境内はかなり広いですが、札幌諏訪神社はかなりコンパクトな境内となっています。
そんな神社とマーケティングがどう関係してくるのでしょうか?
実はこちらのお宮、「花手水」にかなり力を入れています。
神社の境内には神さまにお参りをする前に俗世の穢れを祓い清めるための「手水舎」というものがあります。
これがコロナになり、感染防止の観点で使用停止にした神社が多かったのですが、それであれば使わなくなった手水舎を活用して映えスポットを作ろう!ということで始まったのが「花手水」です。
※京都にある柳谷観音・楊谷寺が発祥と言われていますが、コロナになる前から花を飾るようになっていたそうです。
手水鉢に色鮮やかな花を浮かべることで、その美しさを楽しむことができ、コロナの中でもちょっと一息つける、そんな場所として参拝者を楽しませてくれています。
で、札幌諏訪神社の花手水なのですが、花が綺麗なのはもちろんのこと、手水舎全体を飾り立てており、かなりの「映えスポット」となっているのです。
これは写真を撮ってSNSにアップしたくなります。
私もつい先日お参りしてきたのですが、やはり写真を撮りましたし、こうしてアップしています笑。
手水鉢に浮かべる花の種類も結構頻繁に変えており、お参りする毎に違う雰囲気を楽しめるということで、リピート参拝を促す仕掛けとなっています。
ここに参拝客を増やすマーケティングの要素があると感じます。
今はなかなか「SNS映えするからみんな来て写真撮ってね!」と言いづらい状況です。
あまりそういうことを言うと「そうやって人が集まって密になったらコロナの感染者が増えるだろ!」と炎上してしまうおそれがありますからね。
ただ、神社の場合は屋外ということもあり、あまりそこまで批判の対象にはならないというところがあります(それと神社側も「SNS映えするから来てね!」という情報発信はしていませんし)。
さらにこちらのお宮では現在期間限定でプラスチックを利用した「クリア御朱印」なるものを頒布しています。
こちらは先日北海道新聞で記事になっていたのですが、その効果もあって参拝客がむちゃくちゃ増えていました。
そしてクリア御朱印をいただいた人の多くがクリア御朱印を持って撮影していました(もちろん私も撮影しました)。
神職の方に「やっぱり道新に掲載された効果で参拝客が増えましたか?」と聞いてみると「お陰様で」という回答でした。
私がお参りした際には狭い境内に参拝客がごった返し、花手水の写真を撮ったり、クリア御朱印片手に写真を撮ったりと大変賑わっていました。
北海道新聞で記事になった経緯は分かりませんが、やはり新聞に取り上げられるというのは効果絶大です。
神社とマーケティングというのは普段あまり認識しない部分かもしれませんが、神社も維持管理していくためにはお金が必要です。
北海道の神社はそうでもありませんが、例えば東京の神田明神などはもの凄く数多くのお守りを頒布したりアニメとコラボしたりとマーケティング活動に積極的です。
北海道に住んでいる身としてはもっと北海道の神社も積極的にマーケティング活動をしてもいいんじゃないかな、と思っているところです。
そんな中でも札幌諏訪神社の取り組みは素晴らしいと思いますし、とりあえず「SNS映え」が目的でも参拝客が増えて、それをキッカケに神社や神さまのことに興味を持つ人が一人でも増えると嬉しいですね。