塩野義製薬は来年から希望する社員が週休3日で働ける制度を導入するそうです。
入社3年未満の人や管理職などを除く約7割の社員が対象となり、給与は週休2日に比べて8割程度となります。
介護や育児での利用もOKで、また、副業も解禁するそうです。
ただ、真の目的は人材育成で、大学院での勉強や資格取得などを通じた社員の能力アップを促し、自社でのイノベーションに繋げる狙いです。
この週休3日制を導入する企業は少しずつ増えており、給料が減るかわりに介護や育児の時間を増やし、なんなら副業もOKというのがよくあるパターンかなと感じます。
週休3日制は政府の経済財政運営の指針「骨太の方針」にも促進が盛り込まれており、今後も同じようなパターンで導入する企業が増えていくものと予想されます。
う~ん…。週休3日制も良いとは思うのですが、「給料変わらずに勤務時間を1時間短縮」ってどうでしょう?
昔は「9時5時」とか「アフター5」なんて言葉があったように、1日の勤務時間が9時から17時まで、というのが一般的だったのですが、現在では「9時から18時まで」が一般的となっています。
これは労働基準法で「労働時間の上限は一日8時間、一週間40時間」と定めたことによるもので、「上限が決まっているなら目一杯働いてもらおう」とこのスタイルになった経緯があります。
※週休2日制で9時~18時、昼休みが1時間だと、ちょうどこの上限の労働時間になります。
おそらく多くの会社で、始業時間が9時だからと言って9時丁度に出勤するのはNGで、10分とか15分前までに出勤するのが暗黙のルールになっているのではないかと思われます。
また、18時が定時でもそこですぐ退社とならずに30分程度の残業があれば、1日の勤務時間(つまり昼休みも含めた拘束時間)は10時間近くになります。
ここまで働いて、その後プライベートで何かを楽しもうとなるかと言われるとなかなか厳しいのではないでしょうか。
仮に遊んだり飲んだりするのではなく資格取得のための学校に通うにしてもかなりクタクタになっていて勉強もはかどらないのではないかと思います。
税理士事務所で働く人の中には税理士資格取得のために学校に通っている人も多いのですが、遅い時間まで仕事をするのが当たり前の風土だと結構厳しいですね。
「平日は難しいから土日に集中して勉強する」という人もいるかと思いますが、私の経験上毎日コツコツ勉強することが大事なので、そういうやり方だと合格は難しいかと思います。
これが定時が17時になるだけでも、仕事が終わった後の選択肢がかなり広がります。
帰宅して家族と一緒に晩ごはんを食べるもよし。
次の日に残らないよう2時間程度飲むもよし(今はちょっと難しいですが)。
資格取得のための勉強をするもよし。
映画を観にいくのもよし。
運動で汗を流すもよし。
副業をするもよし。
しかも、給料が変わらずに勤務時間が短くなれば、実質的な賃金アップとなります。
最近やたらと「労働生産性が」と言われていますが、これを行うことで生産性も一気にアップします。
もちろん今まで8時間かけて行っていた仕事を7時間でできるように業務の効率化を図る必要があります。
でも、「えいやっ」で1時間短縮すれば、短い時間でどう仕事を終らせるか知恵を使って案外何とかなるものです。
週休3日制は、それを必要としている人もいるでしょうから否定するつもりは全くありませんが、それと合わせて、働き方改革の一環として、「給料変わらずに勤務時間を1時間短縮」というものも推してみたいと思います。