7月8日放送のWBSで「リモートワーク定着の中、今なぜオフィス回帰?」というテーマが取り上げられていました。

コロナにより、ここ北海道でどれぐらいリモートワークが普及したのかは分かりませんが、東京では都心5区のオフィスの空室率は16ヶ月連続で上昇しており、今年6月の空室率は6.19%となっています。

この数字を見ると東京ではコロナを機にリモートワークを導入する企業が増え、結果として「もう大きなオフィスはいらないよね」という流れになっていることがうかがえます。

しかし、その一方でオフィス回帰の動きも出てきています。

ベネッセコーポレーションでは社員の出社率を現在の3割から最大5割にするためにオフィスを大規模にリニューアルしました。

固定デスクを廃止し、フリーアドレス制を採用。さらには共有の打ち合わせスペースを約3倍にしています。

で、この共有スペースというのがオンラインミーティングの弱点であったコミュニケーション不足を補うためのもので、個々の仕事をする際は基本的にリモートワークだけど、アイデア出しなどのクリエイティブなミーティングを行う際には出社してリアルで打ち合わせをするという働き方となります。

ベネッセコーポレーションでは今後、リモートワークと出社を半々にしたハイブリッド型勤務に力を入れる方針です。

またアメリカでもオフィス回帰の動きが出ており、アップルでは対面で仕事をすることの重要性を説き、9月から週3日出社するよう従業員に要請しています。

しかし、それに対して一部の社員は「勤務形態をより柔軟にすべき」とする意見書をCEOに提出しています。

街頭インタビューでは

「オンラインでコミュニケーションを取れるようになったことは素晴らしいことだけど、対面でのコミュニケーションには敵わない」

「小さい子どもがいるのでリモートワークは難しい」

などと言った声が出ていましたが、今後リモートワークについてどう取り扱っていけばよいのでしょうか?

これは以前にも書いたことがありますが、働き方のオプションとして柔軟に対応するのが一番だと考えます。

コロナにより半強制的にリモートワークが導入された会社では、家が狭くて仕事をするスペースがない、小さな子どもがいる、ペットがいて仕事の邪魔をしてくる、そもそも家では集中して仕事ができない、といった社員は結構大変だったのではないかと思います。

結果として生産性が落ちて長時間労働になってしまったという話もよく聞きます。

その一方で、リモートワークで集中して仕事ができる環境にある人は通勤時間がゼロになり、「超快適。これからもずっとリモートワークをしたい」となったことでしょう。

それで業務上支障がないのにアップルのように「やっぱり週3日は出社しなさい」と言われてしまうと不満に繋がってしまうでしょう。

ただ、クリエイティブなミーティングを行うにはやはりリアルに顔を合わせるのが一番だ、というのも理解できます。

そう考えると「必ず週何日かは出社しなさい」という縛りを入れるのではなく、リモートワークで問題なく業務ができる人は基本的にはリモートワーク、ただし必要に応じて出社するというルールの方が上手く回るのではないかと思います。

もちろん、リモートワークだと集中できないという人は出社オンリーで構わないでしょう。

コロナでリモートワークが推奨されたのは人出を抑えて感染拡大を防ぐという目的でしたが、それで今後コロナが落ち着いたときに完全出社に戻してしまうのはもったいない話です。

「うちは絶対リモートワーク!」「うちは絶対出社!」ではなく、ぜひ上手に、柔軟にいいとこ取りをしましょう。