今回は地元札幌ネタとなりますが、3月14日付けの北海道新聞に「札幌ドーム 苦境の20周年」という記事がありました。

札幌ドームは今年6月に開業20周年を迎えますが、コロナの影響でイベントが減少したり、入場制限が行われたりした結果、2020年度の売上高は半減。

さらには利用料収入の約3割を占める北海道日本ハムファイターズが2023年には北広島市に本拠地を移すため、経営状況はさらに厳しくなることが見込まれています。

ドームで行うような大規模なイベントはまだそんなに再開できないでしょうから、そこも厳しいところですが、なんと言っても厳しいのが日ハムの移転です。

これにより利用料収入が3割なくなるだけでなく、広告やグッズ販売などの収入も減るため、売上に与えるインパクトはかなりのものです。

過去にも何度か書きましたが特定の取引先に依存するビジネスモデルは危険です。

極端な話、売上が完全に特定の1社だけで成り立っているのであれば、その1社から「もう取引しません」と言われた瞬間、売上はゼロになり、あっという間に倒産となってしまいます。

また、よく下請けの町工場などを題材としたドラマなどで見かけますが、値下げを強要され断れば取引終了、従っても利益がほとんど残らずどちらに転んでも厳しい状況になるなんてことは現実にも起こっている話です。

要は、特定の会社に依存してしまうと相手に主導権を握られてしまい、自分でコントロールできなくなってしまうのです。

売上の3割がなくなっても大変だと思います。

自社の売上に貢献してくれるお得意様は大切にしつつも、なるべく売上に占める割合を下げるように、他の取引先を増やす努力を怠ってはいけません。

ところで、今回の札幌ドームはちょっと特殊な事例で札幌市の第三セクター「札幌ドーム」が運営する会社となります。

日ハムからはグラウンドなどの環境改善や、高額な利用料がもうちょっと何とかならないかとか再三要望があがっていたのですが、札幌ドーム側が聞く耳を持たなかったため、「じゃあ、分かりました。出ていきます」となったという経緯があります。

なので、地元札幌では「札幌ドームが殿様商売で全然日ハムの要望を聞かなかったから、日ハムに出ていかれた」と捉えられていたりします。

ちなみに記事には「今後慢性的な赤字体質に陥れば、何らかの形で市税投入が必要になる可能性もある」とありましたが、札幌市民としてはコロナの影響部分はある程度致し方ないとしても、日ハム移転は自業自得と言えますから、そこに税金を投入されるというのは嫌な話ですね。

日ハム移転による売上減少を穴埋めできるように、しっかりと営業活動をしていただき、赤字による税金投入を回避して欲しいと思います。